○蔵王町土地利用等事業指導要綱
平成元年11月1日
要綱第1号
第1章 総則
(目的)
第1条 この要綱は、蔵王町の基本計画に基づき環境の良好な町に形成されるよう土地利用等事業者(以下「事業者」という。)に対し、乱開発や自然破壊の防止、及び関連施設の整備、その他に関し協力と応分の負担を要請し、自然と調和した均衡ある発展と町民福祉の向上に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この要綱において、次に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
2 土地利用等事業は、宅地及び別荘地の造成、工場用地の造成、旅館ホテル等用地の造成、ゴルフ場、マンションの用地の造成、リゾート関連施設の建設、太陽光発電施設の設置等の土地利用等事業(以下「事業」という。)で切土、盛土、整備等の一団の土地の区画形質の変更並びに物理的な行為を加えず土地の利用目的の変更を行う事業をいう。
3 事業を行う区域は、次に掲げる地域以外とする。
(1) 農業振興地域の整備に関する法律の適用区域で農用地区分の地域
(2) 水資源涵養保全地域又は、環境緑地等として保全すべき地域
(3) その他事業にふさわしくない地域
4 事業者は、事業に係る工事の請負契約の注文者、又は請負契約によらないで、自らその工事をする者をいう。
5 公共施設は、道路、公園、緑地、広場、上水道、下水道、水路、溜め池、消防用貯水施設等の公共の用に供する施設をいう。
6 公益施設は、教育、福祉、保安、保健衛生、医療、集会、文化、通信、サービス、購買施設等の公益の用に供する施設をいう。
(適用範囲)
第3条 この要綱の適用範囲は、次に掲げる事業に適用する。
(1) 事業区域が一団の土地について、5,000平方メートル以上の事業
ただし、都市計画区域内にあっては、3,000平方メートル以上の事業
なお、同一事業者が連続して開発する場合は、全体面積を対象とする。
(2) 中高層等建築物で建築基準法施行令第2条第2項に規定する地盤面からの高さ13メートル以上の建築物
(3) 建築物の一棟の延べ床面積が3,000平方メートル以上の事業
(4) 町民の安全と福祉、若しくは自然環境の保全に著しく影響を及ぼす事業及び資源の採取、施設の設置又は土石の処分に関するもので町長が必要と認めるもの
(適用除外)
第4条 この要綱は、次に掲げる事業については適用しない。
(1) 国、宮城県(以下「県」という。)又は蔵王町(以下「町」という。)が行う事業
(2) 土地区画整理法(昭和29年法律第119号)第2条第1項に規定する土地区画整理事業として行う事業
(3) 国、県又は町の助成を受けて行う農業、林業又は漁業に係る事業
ただし、畜産団地を造る場合は除く
(4) その他町長が施策上、特に必要ないと認める事業
(事前協議)
第5条 事業者は、法律で定められた当該事業に係る申請を行う前にあらかじめ、当該事業の計画等について町長と協議しなければならない。
2 事業者は、前項の協議にあたっては、事業区域の位置、規模、用途、事業を記載した協議書及び事業計画書、設計図、その他必要な書面を提出しなければならない。
2 別表第1に掲げる事項に係る技術的細目は別に定める。
3 町長は事業区域が20ヘクタール以上の規模の事業について、事業者から協議を受けた場合は、県と協議するものとする。ただし、20ヘクタール以下であっても、その地域の実情に応じて必要と認める場合は、県と協議を行う。
(協定の締結)
第7条 事業者は、本要綱に基づいて協議が成立し、同意を得た時は、原則として次に掲げる事項を内容とする協定を町長と締結しなければならない。ただし、町長が必要でないと認めたときは、この限りでない。
(1) 事業を行う土地の用途及び処分に関する事項
(2) 道路、公園、緑地、その他公共の用に供する空き地の設置設計及びこれらの施設の帰属、維持管理に関する事項
(3) 上水道、下水道、その他供給施設及び処理施設の設置計画、並びにこれらの施設の帰属、維持管理に関する事項
(4) 公益施設の整備に関する事項
(5) 自然環境及び文化財、並びに地域環境の保護に関する事項
(6) 公害及び災害の防止並びに環境衛生に関する事項
(7) 事業の工事の時期及び期間に関する事項
(8) 協定履行の保証及びその不履行の場合の制裁に関する事項
(事業者の責務)
第8条 事業者は、事業の実施にあたっては、地元関係住民の意向を尊重すると共に、町の計画に合致するよう十分に配慮し、地域住民の生活安定に支障をきたす施設を設置してはならない。
2 事業者は、事業の実施にあたっては、自然環境を保全し、進んで緑地の保存と文化財等の保護に努めると共に、埋蔵文化財が出土したときは、直ちに工事を中止して関係機関の指示を受けなければならない。
3 事業者は、事業の施行にあたっては、災害及び公害の未然防止に最善の努力を行い、住民の生命財産の保護に努めなければならない。
4 事業者は、事業計画を定めるときは、あらかじめ関係権利者及び周辺地域の利害を有する関係者と協議して、同意を得るものとする。
5 事業者は、電気、ガス、交通、電話等については、関係機関と事前に協議しなければならない。
6 事業者は、事業の施行によって損失を与えた場合は、すべてその補償の責務を負わなければならない。
7 事業区域内に都市計画施設の計画がある場合は、事業を行う者の負担により当該施設の用地を確保し、又は整備を行うことにより、都市計画事業の早期実現に協力するものとする。また、これにより、事業者が都市計画施設を整備したときは、都市計画法第40条第3項の規定に基づく費用負担の請求は、当該事業の認可を受け施行するまで保留するものとする。
第2章 公共施設
(道路)
第9条 事業者は、事業の施行に伴い、設置する道路については、次の各号に定めるところにより整備するものとする。
(1) 道路の構造は、道路構造令(昭和45年政令第320号)及び蔵王町町道の構造の技術的基準を定める条例(平成25年蔵王町条例第1号)を遵守して、路面は原則として全面を舗装すること。
(2) 事業区域内の道路は、別表第2の整備基準による。
ただし、基準によりがたいときは、町長と協議して別に定めることができる。
2 事業区域内の道路は、町道として町長が定める日まで、事業者及び承継人が自己の責任において維持管理するものとする。
(農道及び水路、溜め池等)
第10条 事業者は、事業の施行に伴い、農道及び水路、溜め池等の改修(新設、移設を含む)を必要とする場合は、町長及び関係機関と協議の上、事業区域の内外にわたり、事業者の負担で整備しなければならない。
2 農地、山林等の事業によっては、かんがい用水源の枯渇、又は汚染される恐れのある場合は、農林業経営に支障のないよう諸施設を事業者の負担で整備しなければならない。
(公園、緑地等)
第11条 事業者は、事業の施行に伴う公園等の設置については、別表第2の整備基準によるものとし、開発区域内における公園等として最も有効に、かつ安全に利用できる位置に、災害時の避難に支障のないよう計画しなければならない。
2 公園、緑地等の面積については、町長と協議の上、町長の指示する面積を確保するものとし、公園等の整備及び施設の設置は、事業者の負担で行うものとする。
また、公園の施設については、町長の指導により遊具等を設備しなければならない。
(上水道)
第12条 事業者は、新たに水道施設を設置する場合においては、事前に水道事業管理者と協議の上、事業者の負担で整備しなければならない。
(排水施設)
第13条 事業者は事業の施行に伴う下水(し尿を含む)の処理については、下水処理施設を設置するものとし、その計画については町長と協議の上、事業者の負担で整備するものとする。
2 事業区域の面積が、20ヘクタール未満で、やむを得ないと町長が認めた場合は、し尿浄化槽により処理することができる。この場合の生活排水については、ろ過施設を設けて汚物を除去しなければならない。
3 事業区域から生ずる汚水及び雨水を河川、水路等に放流する場合は、事業者の責任において、公共水域の利用目的に影響を及ぼすことのないよう処理しなければならない。
(消防、防災施設)
第14条 事業者は、事業区域内における消防水利の基準(昭和39年消防庁告示第7号)により必要な水利施設を設置整備するものとする。
2 前項の用地の位置及び形状等は、町長の指示によるものとする。
第3章 公益施設
(ごみ収集施設)
第15条 ごみ収集施設(集積所等)は町長が必要と認めた場合、事業者の負担で設置しなければならない。
2 ごみ収集施設(集積所等)の設置箇所等は、別表第2の整備基準によるものとし、町長と協議のうえ事業者の負担で設置するものとする。
(保育所、児童館等)
第16条 事業者は、事業区域内の計画人口等により町長が必要と認めたときは、保育所、児童館及び集会所等の用地を確保しなければならない。
2 前項の用地の位置及び形状等は、町長の指示によるものとする。
(その他の公益施設)
第17条 事業規模、事業区域の位置等から町長が公益施設の設置が必要と認めたときは、事業者は、その公益施設に必要な用地を確保しなければならない。
2 前項の用地の位置及び形状等は、町長の指示によるものとする。
第4章 公共施設等の帰属又は管理
(公共施設等の帰属又は管理)
第18条 事業者は、この要綱により設置、整備又は提供された公共施設及び公益施設並びに用地は、その性質上町に帰属できないものを除き、原則として無償で町に帰属し、その管理は町が行うものとする。
2 公共施設及び公益施設並びにその用地で町に帰属するものについては、町が管理する日までの間は、事業者が自己の責任において維持管理するものとする。
(公共施設等の引き継ぎ)
第19条 町に帰属する公共施設及び公益施設の用地は、工事完了検査後2ヵ月以内とし、その施設の維持管理は、町長と協議して定めた日からとする。
(権利義務の承継)
第20条 この要綱により、同意を得た者の相続人又は一般的承継人は、被承継人が有する当該同意に基づく権利義務を承継するものとする。
第5章 雑則
(交通・安全等)
第21条 事業者は、工事用の資材運搬等により道路を使用する場合は、運搬経路等について事前に町長と協議し、交通の安全を図り、その機能を損なわないよう措置しなければならない。又、事業に起因して、道路等に損傷を与えた場合は、事業者は直ちに補修して原形に復するものとする。
(指導、助言、又は勧告)
第22条 町長は、当該事業について、この要綱施行のため必要があると認めたときは、報告若しくは、資料の提出を求め、検査又は勧告助言することができる。
(その他)
第23条 事業者は、本要綱によりがたいもの、又は定めがないものについては、その都度、町長と協議するものとする。
附則
この要綱は、平成元年11月1日から施行する。
附則(平成13年要綱第10号)
(施行期日)
1 この要綱は、平成13年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 平成13年3月31日までに、取り扱った事業については、この要綱の規定にかかわらず、なお従前の例による。
附則(平成16年要綱第4号)
この要綱は、平成16年4月1日から施行する。
附則(平成17年要綱第10号)
この要綱は、公布の日から施行し、平成17年3月7日から適用する。
附則(平成18年要綱第1号)
この要綱は、平成18年4月1日から施行する。
附則(平成20年要綱第8号)
この要綱は、平成20年4月1日から施行する。
附則(平成25年要綱第3号)
この要綱は、平成25年4月1日から施行する。
附則(平成30年要綱第21号)
(施行期日)
1 この要綱は、公布の日から施行する。
(経過措置)
2 この要綱の施行日前において、すでにその用地を取得したもの又は用地を使用する権利を取得したものについては、なお従前の例による。
附則(令和2年要綱第7号)
この要綱は、令和2年4月1日から施行する。
附則(令和4年要綱第26号)
この要綱は、公布の日から施行する。
別表第1(第6条関係)
同意の基準
1 事業に係る土地の用途が土地利用計画に定められているときは、その利用区分に適合していること。
2 予定建築物の用途が都市計画法第8条第1項第1号の用途区域に適合していること。
3 道路、公園、緑地、その他の公共の用に供する空き地(消防に必要な水利が十分でない場合に設置する消防の用に供する貯水施設を含む)が次に掲げる事項を勘案して、環境の保全上、災害の防止、通行の安全又は事業活動の効率上、支障がないような規模であり、かつ、これらが適切に配置されていること。
(1) 事業区域の規模、形状及び周辺の状況
(2) 事業区域内の土地の地形及び地盤の性質
(3) 事業区域内の土地及び予定建築物の用途
(4) 予定建築物の敷地及び配置
4 事業区域内の主要な道路が3の①から④までに掲げる事項を勘案して、事業区域外の相当規模の道路に接続されるものであること。
事業区域内において都市計画決定が行われ、又は道路整備計画の対象とされている道路がある場合は、設計がこれに適合していること。
5 排水路、その他の排水施設が次に掲げる事項を勘案して、事業区域内の排水を有効に排水すると共に、その排水によって事業区域及びその周辺の地域に、排水等による被害が生じないような構造及び能力で適当に配置されており、かつ当該排水にかかる河川、その他の公共用水域の管理者、直接影響を受ける関係住民の代表者、並びに関係水利権者の代表と協議して同意を得ていること。
(1) 当該地域における降水量
(2) 3の①から④までに掲げる事項及び放流先の状況
6 上水道、その他の給水施設が当該関係区域について想定される需要に支障をきたさないような構造及び能力で配置されており、かつ上下水道事業管理者との協議が完了していると共に、直接関係のある水利権者の代表者と協議してその了解を得ていること。
7 電気、ガスの供給施設が、当該事業区域について想定される需要に支障をきたさないような構造及び能力で適当に配置されており、かつこれらの供給事業者との協議が完了していること。
8 公害対策基本法第9条による環境基準に適合すると共に、その他公害防止に万全の配慮をしていることが認められること。
9 当該地域の自然的、社会的諸条件を勘案して、現在及び将来の自然環境の保全の観点からみて、適当であると認められること。
10 廃棄物の処理については、万全の配慮をしていると認められること。
11 消防防災施設については、万全の配慮をしていると認められること。
12 当該事業の目的に照らして、事業区域における利便の増進と事業区域及びその周辺の地域における環境の保全とが図られるように公共施設及び予定建築物の用途の配分が定められていること。
13 事業区域内の土地が地盤の軟弱な土地、がけ崩れ、出水又は土砂の流出の恐れがある土地、これらに類する土地であるときは、地盤の改良、擁壁、土砂止めの設置等、安全上必要な措置が講じられていること。
14 事業区域内には、次に掲げる区域内の土地を含まないこと。
(1) 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第3条第1項で規定する急傾斜地崩壊危険区域
(2) 森林法第25条で規定する保安林、又は同法第41条第1項若しくは第2項で規定する保安施設地区
(3) 農業振興地域の整備に関する法律第8条第2項第1号で規定する農用地区域
(4) 宮城県文化財保護条例第3条若しくは第30条及び蔵王町文化財保護条例第4条第1項で規定する指定区域
15 事業地域が普通林地に係る場合は、災害の防止又は水資源のかん養等の目的から判断して、著しい支障がないと認められること。
16 事業が完了した後において、道路等による輸送の便に支障がないと認められること。
17 事業区域内の土地、若しくは事業に関する工事をしようとする土地、又はこれらの土地にある工作物については、事業の施行又は事業に関する工事の実施の妨げとなる権利を有する者の同意を得ていること。
18 事業に関係ある公共施設の管理者の同意を得、かつ新たに設置される公共施設を管理することとなる者との同意を得ていること。
19 事業者が当該事業の目的を達成するために、必要な資力及び信用を有していると認められていること。
20 当該事業の地域住民に対する貢献度が高いと認められること。
別表第2(第9条、第11条、第15条関係)
公共施設・公益施設及び用地の確保整備基準
1 道路
(1) 整備 計画用地の全面積を整備するものとする。
(2) 舗装 道路の性格により次のように定めるものとする。
イ 道路は、日本道路協会のアスファルト舗装要綱、セメント、コンクリート舗装要綱及び日本道路協会の簡易舗装要綱によること。
ロ 舗装厚については、町と協議して定めるものとする。
(3) 幅員(主要道路)、車道、歩道の幅員
事業面積 | 道路幅員 | 車道幅員 | 歩道幅員 | 備考 |
0.3ヘクタール以上 1.0ヘクタール未満 | 4.0メートル以上 |
|
| 状況によっては、歩道を片側に設置することができる。 |
1.0ヘクタール以上 5.0ヘクタール未満 | 6.0メートル以上 |
|
| |
5.0ヘクタール以上 10.0ヘクタール未満 | 9.0メートル以上 | 6.0メートル以上 | 2.0メートル×2 | |
10.0ヘクタール以上 20.0ヘクタール未満 | 12.0メートル以上 | 9.0メートル以上 | 2.0メートル×2 | |
20.0ヘクタール以上 | 16.0メートル以上 | 9.0メートル以上 | 3.5メートル×2 |
道路交差部のすみ切り
道路幅員 | 4メートル | 6メートル | 9メートル | 12メートル | 16メートル | 備考 |
4メートル | 3 | 3 | 3 |
|
| L=すみ切長さ |
6メートル | 3 | 5 | 5 | 5 |
| |
9メートル | 3 | 5 | 5 | 5 | 5 | |
12メートル |
| 5 | 5 | 6 | 6 | |
16メートル |
|
| 5 | 6 | 6 |
(4) 防護施設及び交通安全施設
事業の規模、計画人口、周辺の状況により町長が提示する施設。
(5) 電柱、電話柱、街路灯は道路敷外とする。
2 公園・緑地
(1) 事業面積が3,000平方メートル以上で都市計画区域内にあっては、事業面積の3%以上とし、その他の区域については6%以上を基準とする。
なお、設置については、3,000平方メートルごとに1か所設置することとし、10,000平方メートル以上の場合は、100平方メートル以上の公園を3か所以上設けるものとする。
(2) 公園施設
イ 公園の規模により、次に掲げる施設を設けるものとする。
① 外柵、園門、車止施設、照明灯、水道、植栽等
② ブランコ、滑り台、シーソー、砂場、ベンチ、水飲み場等の遊具施設
ロ 上記のほか、町長が必要と認めた施設を設けるものとする。
3 その他の公共施設及び学校用地等公益施設
(1) 事業の規模、計画人口、周辺の状況等により、町長が必要と認める施設及び用地の確保、整備に関すること。
(2) ごみ収集施設(集積所等)は、計画戸数おおむね30戸につき1か所とし、敷地面積は6平方メートル以上とする。