健康一口メモNo340
うつ状態を来す主な疾患
仙南サナトリウム+ 医師 李 宇 鐘 先生
うつ病は、東京オリンピックが開催される2020年には、全ての疾患の中で2番目に大きな経済的打撃を与えるだろうとの報告があります。今や約10人に1人の割合で、人生のどこかの時期にうつ病を発症してしまう可能性があるんです。そのうつ病は、治療を受けずに経過した場合、6割ほどの患者さんで自然に治ることがありますが、その期間は半年から1年程かかり、仕事も手につかなくなってしまいます。
そうなる前に大事なことは、どんな病気にもあてはまることですが、早めの気づきと対応です。うつ病の典型的な症状として、興味や関心がなく、憂うつな気分が続くというものは気づきやすいのですが、身体の異変として、疲れやすい、眠れない、食欲が不振になるなどの症状が先行して目立ってくることもあるので、ぜひ着目してください。
なお、うつ状態(憂うつな気分)が続く疾患として典型的なうつ病の他に、ストレスが主な要因となる適応障害や、テンション高めだった人が急にうつになることもある躁うつ病なども含まれるため、自分自身や周囲の人が病気と認識するまでに時間がかかってしまうことにより、早期の気づきと対応が遅れることがあります。
最近疲れやすい、眠れない、食べたくないなどの症状が気になったら、早めの受診をおすすめします。
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