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             健康一口メモNo320 
               「DMATとは?」  
             公立刈田綜合病院 外科 医師 阿部 立也 先生 
             先の東日本大震災や昨年4月の熊本地震では、各地域のDMAT(Disaster Medical Assistance Team:災害派遣医療チーム)が被災地に出動しました。 
               DMATは災害発生時にさまざまな役割を担いますが、その災害時(地震、台風、津波などによる自然災害や交通事故、火災などによる人為災害)には、対応必要量(ニーズ)が対応能力(リソース)を上回った状態、つまり、医 
              療的側面からみると治療対象者が人員・医薬品・資器材などの医療資源を大幅に上回ってしまう状態に陥ります。 
               これはつまり、平時には救える可能性のある命が失われてしまう状況のことを意味します。阪神淡路大震災では初期医療体制の遅れなどから「避けられた災害死」が500名以上も存在したと言われています。 
               この教訓から災害時の医療的備えとしてDMATの養成が始まり、災害時には医療資源を被災現場に集結させる体制が備えられました。 
               当院では現在医師3名、看護師4名、臨床工学技士2名、事務員2名が、研修を経て厚生労働省が認定する日本DMAT隊員として登録されています。 
               今後いつ我々に出動要請がかかるかわかりませんが、常に現場で力が発揮できるよう知識、技術の研鑽維持に努めています。  
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