小・中学校学力調査結果報告
   
小学校はほぼ全国平均と同じ
中学校は全国平均との差縮まる


学力向上サポートプログラム事業における算数の授業(遠刈田小学校)

 町教育委員会では、町内の児童生徒の実態を把握するため、平成14年度より、小・中学校の学力調査(小4・小6・中2)を継続実施しており、今回(平成21年度)で8回目になります。昨年に引き続き、小・中学校の学習状況をお知らせします。
 また、今年度は家庭での様子を知るために、現小学5・6年生、中学3年生に「生活アンケート」を実施し、「起床時刻」「就寝時刻」「睡眠時間」「家庭学習時間」「テレビ視聴時間」「ゲーム・携帯メール時間」の調査結果をまとめました。
 児童・生徒の家庭での様子、傾向が分かり、「学校でどう指導したらよいか」「家庭でどう過ごすことが大切か」を考えるデータとして活用できます。5ページをご覧ください。

小学校の現状と課題
 町の児童の総合学力(国語・算数)は、平成16年度以降少しずつ向上し、全国平均を上回っています。
 4年生と6年生の平均正答率では、国語は全国平均を上回り、算数は全国平均を下回りましたが、学力向上に向け、各学校で今まで取り組んできた成果が表れていると思います。

国語
 目標達成状況を見ると、4年生の児童の62%が「十分到達」26%が「おおむね到達」の段階にあり、6年生の児童の70%が「十分到達」23%が「おおむね到達」の段階にあります。
 「言葉や漢字の学習」(言葉や漢字)では全国平均を上回っており、学校や家庭での漢字練習、言葉の意味を調べる学習への取り組みの成果が表れていると思います。
 「文章の内容を読み取る学習」(読む力)や「文章を書く学習」(書く力)では、4年生も6年生も全国平均を上回りました。今後も学校だけでなく、家庭でも時間を見つけ読書をしたり、日記を書いたりすることをお勧めします。
 「目的に合った話し方や聞き方をする学習」(話す・聞く力)では、4年生は全国平均と同じになり、6年生は全国平均を下回りました。話すための「パターン」を身に付けたり、日ごろから大切なことを聞き落とすことなく、しっかり聞く習慣を身につけることが必要だと思います。

算数
 目標達成状況を見ると、4年生の児童の65%が「十分到達」、27%が「おおむね到達」の段階にあり、6年生の児童の52%が「十分到達」、29%が「おおむね到達」の段階にあります。  学年が進むにつれて学習内容が難しくなりますので、各学年の「計算のきまり」を理解し、文章問題をよく読み考え、「積み重ねの学習」をしていくことが必要だと思われます。 

町内小学校5校の学力向上への取り組み
円田小学校

○教員の教科指導力向上(算数科の校内研究、模擬授業の実施)
○朝の読書(月・金)
○ドリルタイム(水・木)
○詩の暗唱(音読集を活用)
○5年理科(教務)、6年社会(教頭)の専科授業
○合同授業(音楽・体育)
○TT指導(学習支援)
○家庭学習カード(全学年)の活用
○家庭学習の習慣化(「家庭学習の手引き」の活用)

平沢小学校

○教員の教科指導力向上(国語の校内研究、模擬授業の実施)
○ぐんぐんタイム(国・算ドリルタイム月〜木朝10分間/校長、教頭、教務も加わり、TT指導)
○朝の読書(読書ボランティア読み聞かせ協力活用)
○家庭学習の習慣化(家庭学習の手引き)
○一部専科の導入(教頭・教務5・6年社会)
○合同授業(体育・音楽など)
○体験学習の重視(学校林活動等)・ノーゲームデーの推進(月曜日)・幼保児小中連携の推進

永野小学校

○教員の指導力向上(校内研修/国語・学力向上サポートプログラム・模擬授業など)
○朝の読書(火〜金)
○読書ボランティア読み聞かせ(月2回)
○5年6年理科専科の導入(教務)
○6年算数TT(担任+教頭)
○3年〜5年・2組学習支援員の補助
○音読カード(全学年)
○家庭学習の習慣化

宮小学校

○教員の教科指導力の向上(校内研修/国語・外国語活動・模擬授業、少人数指導/算数、生活科授業研修・授業実践)
○児童の学習習慣の形成(よい子の学習ルール・家庭学習の手引き、よい子の約束)
○健康面からのアドバイス、夏休みお助け塾、朝の読書、低学年への読み聞かせ(火曜日)
○教育環境基盤の充実(早寝・早起き・朝ごはん、支援ボランティア活用、各種行事の実施)
○一部教科担任制(4・5・6年社会−教頭・教務)
○交換授業(理科、音楽、図工)、合同授業の実施

遠刈田小学校

○教員の指導力向上(校内研修/算数・学力向上サポートプログラム・模擬授業など)
○朝の学習タイム(漢字、算数)
○図書ボランティアの読み聞かせ(第1・3木曜日)
○専科授業の実施(教頭:理科、教務:書写)
○TT指導の実施(教務、学習支援員)
○合同授業実施(体育、音楽)
○家庭学習の習慣化(国算プリント、本読み、週末日記、漢字練習、自学など)
○「早寝・早起き・朝ごはん」の推進
○ノーテレビ&ゲームデイーの推進(木曜日)
○幼保児小中連携の推進





電子黒板の効果的な活用を通して、基礎基本の確実な定着を図る(円田中学校)

中学校の現状と課題
 現在の中学3年生を対象として、2年生の3月に学力検査を実施しました。中学校3校を合わせた傾向をグラフから見ると、過去3年間、毎年10点ずつ、全国平均に近づいてきているのが分かります。今年度はとくに国語と理科が全国平均により近い結果となりました。
 一方、全国平均と比べて各教科の弱い部分は次のとおりです。国語は、「書く能力」の「手紙の書き方」。社会は、歴史の「江戸時代の産業の発展や幕府政治」。数学は、「一次関数」や「三角形の合同の証明」。理科は、第1分野の「電流」や第2分野の「人体のしくみ」。英語は、単語のつづりや過去形などの語形変化、未来形や文章の理解。現3年生は今後の学習の参考になると思います。
 各学校では、3ページの表にあるような学力向上を目指した取り組みを行っています。3校とも、「生活習慣の確立の上に学習習慣の確立がある」という基本的な考えの基に、学力向上を目指した取り組みを行っています。学校での授業、放課後の部活動、家庭での手伝いや家庭学習等の生活のリズムを整え、その中で日々の学習内容の反復を行うことが学力の定着につながります。

町内中学校3校の学力向上への取り組み
遠刈田中学校

○毎日「朝の読書」
○家庭学習提出の奨励
○復習確認テスト
○補充学習および発展学習を取り入れた選択教科の実施
○選択数学での少人数、TTの実施
○放課後の学習会
○英語検定
○夏季休業日における学習会
○学校、学年だよりなどでの学習意欲の喚起

円田中学校

○朝読書の実施
○「生活記録ノート」の提出と担任のコメント
○家庭学習ノートの提出
○電子黒板の積極的な活用
○数学、英語での少人数指導
○「学習の手引き」の作成、配布
○全校一斉の漢字検定実施
○英語検定の実施
○長期休業中の学習会の実施と自主学習室の開設

宮 中 学 校

○言語活動の充実を目指した授業改善
○少人数指導・TT指導(数学、英語)
○毎日の朝読書
○国語、数学の基礎学力の向上を目指したMLS(Miyachu Let'sStudy)学習WEEKを年間8回設定
○MLSテスト(評価テスト)を行い、補習・追試等の事後指導
○テスト前の学習会
○学習記録ノートを利用した家庭学習の定着

※ TTとは、チーム・ティーチングの略。複数の教師がチームを組んで子どもたち一人一人の実態に応じながら学習する方法

 

家庭にお願いしたい事

生活アンケートから協力いただきたいこと
 小中学校の教務担当者会が実施しました平成22年度の生活アンケートによると、昨年度とほぼ同様の傾向が見られました。
 「睡眠時間」は、小学生が8〜9時間。中学生が7時間が最も多い結果でした。「起床時刻」は、小・中学生ともに6時〜7時の時間帯、「就寝時刻」は小学生が9時〜10時、中学生は11時〜12時が多い結果となりました。中には、小学生でも11時半以降が5%、中学生で12時半以降が8%いることが分かりました。12時から2時の間の深い眠りの得られる時間はしっかり眠ること。もし遅くなったとしても、いつもと同じ時刻に起きることが大切です。カーテンを開けて陽の光を感じさせることで自然と目が覚めると言われています。
 「家庭学習時間」は、小学生が30分〜1時間、中学生が1時間〜1時間半が最も多い結果となりました。
 「テレビ視聴時間」は、小中学生とも2時間〜3時間が半数以上、「ゲームや携帯・メール時間」は、30分〜1時間半が大半のようですが、2時間以上という小学生が8%、中学生が27%見られました。また、「家庭学習時間」が少ないお子さんほどテレビやゲーム時間が長い傾向が見られました。
 これらの結果から、年齢に見合ったバランスの取れた生活時間を過ごすことが大切だと思います。グラフを参考にしてご家庭で、お子さんと生活の仕方を話し合い、ルールを決めて生活しましょう。

家庭学習の手引きをご覧ください
 「○年生にはどんな学習が必要か」「勉強しなさいと言うけれど、何をさせればよいか」そんな時は、ぜひ、家庭学習の手引きを参考にし、ご活用ください。
問い合わせ先/各小・中学校または町教育委員会教育総務課 TEL0224−33−3008

 

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