■質問
去る11月宮城県知事は、女川原発再稼働について「地元同意」を表明した。東日本大震災の被災地で初めての再稼働の同意である。しかしながら新聞の世論調査では、再稼働を認めた県議会の態度を「支持しない」が72%、知事は同意すべきかの質問には57%が「いいえ」の回答があったことから、県民は再稼働に同意していない。
原発の再稼働は重大事故の危険性や、核のごみ処理問題等も含めて子々孫々までつながる問題であることから、町長の見解を伺う。
■町長
東北電力では、世界一厳しいとされる新規制基準適応への対応と並行して「地震・津波対策」「電源の確保」「冷却機能の確保」「閉じ込め機能の確保」など、二重三重の安全対策を進め、宮城県知事もそれを視察し確認している。その後、11月には宮城県市町村会議を経て、さらに立地自治体である女川町長及び石巻市長との三者協議のうえで再稼働に同意を表明したものである。
原子力発電に関し、もろ手を挙げて賛成できるものではないが、震災後は安全性が向上し、以前よりリスクが小さくなっていると理解している。二酸化炭素削減による地球温暖化対策につながる利点もある。立地自治体の女川町及び石巻市の両議会が再稼働を容認したことも重視すべきである。以上のことから総合的に判断し「どちらかと言えば賛成」という立場を取るものである。積極的に推進する意志ではなく、原子力発電所の新設となれば反対の立場である。
■再質問
震災後は多くの原発が廃炉となった。総発電量と電源構成をみると2010年度の原発は25.1%だったものが震災後の2012年度は1.5%に減り、2014年度は0%となったが、政府の見通しは今後10年後に原発の割合を20%から22%にもっていく考えである。
原発廃止による失業の問題について言及される国会議員もいるが、廃炉にするためには34年もの間その作業者の雇用が確保されることになる。発電コストについても1キロワット当たり、原発の10.1円に対し、太陽光は7円、風力発電は9円と資源エネルギー庁の資料に載っている。原発が二酸化炭素削減による地球温暖化対策というが、再生可能エネルギーの割合を増やせばもっと削減が可能となるが、町長の見解は。
■町長
やはり自然エネルギーが一番よいと思っている。ただ、太陽光発電は自然環境や安定供給などに問題がある。
資料により、原発による発電量が震災前は25%、震災後はゼロになった年もあったことを改めて確認させてもらった。
■再質問
原発は放射能が絡んでいるので危険を伴う。福島県の沿岸部の風評被害は今でも続いている。核のゴミ処理問題も1万年、2万年ぐらいかかるといわれる。原発に関して安全神話はなく、想定外を想定していかなければならない。
県議会、県知事の判断は早計であり、今後は原発ゼロ、再生可能エネルギーで賄っていけるのだと認識すべきであるが、町長の見解は。
■町長
将来的には原発ゼロを目指してほしいと考えている。
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