一般質問


三沢 茂議員

 

地方創生
 
 
「まち・ひと・しごと創生総合戦略」策定の基本的姿勢は
官民協働で創り上げる

■質問
 町勢衰退に歯止めがかからず、2040年の推定人口が8800人に減少するとされ、消滅可能自治体に分類される事態に至っている。農林業を含む地場産業の不振、雇用が少ないことによる若者の転出など、人口減少の数々の要因を克服し、せめて1万人程度の町勢を保つための基本構想を町民に示すべきでないか。

■町長

 平成27年度中に策定する町の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」にあたっては、その前提として合理的な「人口動向分析」に基づき、「地方人口ビジョン」を策定することとしている。議員提言の「1万人程度」になるかどうかはこれから議論されると思うが、国から提供される「ビッグデータ」の解析や、町民の皆さんのアンケート調査における「子育てや居住に関する希望」などに基づき、本町の人口ビジョンを策定する。人口減少社会の中にあっても「活力ある安全で安心に暮らすことができるまちづくり」に向けた各種施策を、官民協働でつくり上げていきたい。

■再質問
 これまで様々な地域振興施策を実施してきても、困難な課題に直面している。思い切った斬新な手法も必要だ。
 長期総合計画に手を加え、人口減少克服・地方創生という目的が明確であり、なおかつ数値目標やKPI(メモ)が設定されていれば、1つのものとして作成が可能とされているようだが、どう考えるか。

■町長

 蔵王町は、仙台という100万人のリトル東京の政令都市に行くにも高速バスで1時間のため、子供たちも通える。都会に通えるその1時間の中で、全く自然の中に帰っていけるような地理にある町のアピール方法はいろいろ考えられる。
 後期に入った長期総合計画だが、KPI・PDCA(メモ)とか、数値目標とかを含めて、対応していけば、長期総合計画と合わせながら考えていけると思う。それと、いろいろな層の皆さんから話を聞く環境をつくっていくことが、一番地域活性化につながることと思う。

メ モ
KPI(重要業績評価指標)は目標達成プロセスの実施状況を計測するために、実行の度合いを定量的に示すものです。

PDCAは欧米で使われているマネジメントサイクルの典型例で計画、実行、評価、改善のサイクルのことをいいます。



■再質問
 「ひと・まち」は、「しごと」に付いてくるもの。町の「しごと」「農業と観光」はいずれも厳しい状況だ。先日可決した補正予算に、地方創生先行型事業として、観光・畜産・子育て支援対策が組み込まれ、総合戦略への町長の考え方が感じられるが伺う。

■町長

 蔵王町は四季折々の自然環境に恵まれた町で、都会の子供たちの体験型修学旅行など、教育の中でも活用できる場所であるから、それをいかに生かして発信していくかだと思う。車で40分のところにある東北の中心都市を活用しながら、農業と歴史・観光を活用する工夫をすれば、1万人の推移で十二分に生き残ることができる。


町のあらゆる資源を活かす総合戦略を!



■再質問
 総合戦略の策定は、反面自治体間の住民と事業所の奪い合い、過度な競争を国から仕掛けられているような違和感もあり、やがて財政健全化を持ち出され、交付金の蛇口を閉められることも心配される。この時期にしっかりと計画をつくり、施策の確立に努めなければならない。

■町長

 これまでも、国の新規事業は3年間ほどお金を出すが、後は県や市町村の財源でやらざるを得なくなる。拡大した扶助費などを戻すことは難しく継続するしかない。大半の自治体は国の支援がなくなればやめている。その面では、今回も多少似ているようで、5年間は優れた計画には交付金が出る。しかし先行型事業があり実質4年間である。この期間に、後のことを考え町にふさわしい、収入が入る事業を考えていかなければいけない。議員も創生戦略会議でいろいろ提案していただきたい。

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