平成27蔵王町議会定例会3月会議

                                           

平成27年3月2日(月曜日)

                                           

     出席議員(15名)

     1番  佐 藤 敏 文  君       2番  平 間 武 美  君

     3番  外 門   清  君       5番  三 沢   茂  君

     6番  水 澤 智 孝  君       7番  馬 場 勝 彦  君

     8番  高 橋 好 夫  君       9番  村 山 一 夫  君

    10番  村 上 一 郎  君      11番  葛 西   清  君

    12番  大 沼 昌 昭  君      13番   沢 春 光  君

    14番  川 村   仁  君      15番  松 ア 良 一  君

    16番  佐 藤 長 成  君

                                           

     欠席議員(なし)

                                           

     同席を求めた者

町長

 

村 上 英 人  君

副町長

 

齋 藤 俊 一  君

会計管理者

会計課長

 

小 島 一 利  君

総務課長

 

佐 藤 雄 司  君

まちづくり推進課長

 

平 間 喜久夫  君

町民税務課長

 

我 妻 清 志  君

保健福祉課長

 

我 妻   敦  君

環境政策課長

 

山 崎 恒 男  君

農林観光課長

 

村 上 正 文  君

建設課長

 

高 野 正 人  君

上下水道課長

 

芦 立 敏 彦  君

病院事務長

 

阿 部   宏  君

教育委員長

 

佐 藤   讓  君

教育長

 

佐 藤 茂 廣  君

教育総務課長

 

佐 藤 則 之  君

生涯学習課長

 

菅 野 和 茂  君

代表監査委員

 

伊 藤 悦 雄  君

農業委員会長

 

平 間   博  君

選管委員長

 

佐 藤   照  君

                                           

     事務局職員出席者

事務局長

 

村 上 惠 造  君

書記

 

佐 藤 桂一郎  君

                                           

     議事日程 第1号

 

  平成2日(月日)    午前10時00分 開

 

  日程第 1 会議録署名議員の指名

 

  日程第 2 会議日程の決定

 

  日程第 3 諸般の報告

 

  日程第 4 行政報告

 

  日程第 5 委員会調査報告

 

  日程第 6 町長の施政方針表明

 

                                           

     本日の会議に付した事件

 議事日程のとおり


      午前10時0分  開会

議長(佐藤長成君) 皆様、おはようございます。

  本日、ここに議会定例会3月会議を再開をいたしまして、議員の各位には、大変ご多忙の中ではありますが、全員出席のもとに再開をできますことを感謝を申し上げます。

  平成26年度も残すところ、あと1カ月となりました。まだまだ寒さが続いております。一雨ごとに春を感じさせる季節になりました。

  まず初めにでありますが、連日報道されております川崎市の多摩川河川敷で起きた中学1年生の殺人事件には本当に心痛む思いで聞いております。将来のある、わずか13歳で命を奪われた上村遼太君のご冥福を心からお祈りを申し上げるものでございます。本人からSOSを発信していたと報じられておりますが、このことについて我々大人社会が早く気づいていたら、こういった事件は防げる事件ではなかったのかなと思っている次第でございます。二度とこのような事件が起きないことを願っているものでございます。

  また、昨年12月、安倍内閣が誕生し、経済政策、アベノミクスを進め、27年度より地方活性化に向けた地方創生を本格化させるとしております。この政策を受けまして、本町では27年度中に新たな蔵王町を創造し、総合戦略を作成するということになります。

  また、国会においては、緊急経済対策として3兆5,000億円ほどの補正予算が成立する一方で、27度の予算審議では、今、政治と金の問題で集中審議となり、年度内予算成立は大変難しくなっているというような方向で報道されているものであります。

  さて、蔵王町は農業と観光が主幹産業であります。農業面においては、米価の下落や米の生産調整、そしてTPP参加交渉の問題など、農家経営に大きな課題が山積しているさなかでございます。

  また、観光面につきましては、東日本大震災から間もなく4年が経過しようとしております。この震災の影響、そして昨年より蔵王山の火山性微動が観測されるなど、観光事業に非常に大きな影響が出ております。自然災害が多く発生している中、防災・減災対策をどう計画をするのか、これらの諸問題、ほかの分野でも多くあると思いますが、27年度の予算事業でどのような政策がとられるのか、議会の役割として、町民の目線に立って、しっかりとチェック機能を果たしていかなければならない今回の議会だと思っております。

  本日より始まる定例会3月会議でありますが、27年度の当初予算8件、条例制定等19件、26年度の補正8件を町長より提出され、それを受理して、本日、この議会の日程で上程されます。

  各議員におかれましては、予算書、そして審議資料で精査をし、臨んでいただいたものと思いますので、慎重審査に当たっていただくことを願い、再開に当たってのあいさつといたします。

  本日、3月2日は休会の日ですが、議事の都合により、特に平成27年蔵王町議会定例会3月会議を再開いたします。

  これから本日の会議を開きます。

  ただいまの出席議員は15名であります。定足数に達しておりますから、議会は成立いたしました。

  本日の議事日程は、お手元に印刷配付のとおりであります。日程に従い議事を進めます。

                                           

     日程第1 会議録署名議員の指名

議長(佐藤長成君) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。

  本日の会議録署名議員は、会議規則第125条の規定により、10番村上一郎君、11番葛西 清君を指名いたします。

                                           

     日程第2 会議日程の決定

議長(佐藤長成君) 日程第2、会議日程の決定を議題といたします。

  お諮りいたします。本定例会3月会議の日程につきましては、別途お手元に配付のとおり、議案等の審議の関係上、本日から18日までの17日間としたいと思いますが、これにご異議ありませんか。

     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

議長(佐藤長成君) ご異議ありませんので、本定例会3月会議は、本日から18日までの17日間とすることに決しました。

                                           

     日程第3 諸般の報告

議長(佐藤長成君) 日程第3、諸般の報告をいたします。

  本定例会3月会議に町長から、議案第6号から議案第40号までの35件が提出され、これを受理しておりますので報告いたします。

  次に、教育委員会教育委員長から、平成26年度蔵王町教育の基本方針に関する教育委員会点検・評価報告書の報告がありましたので、お手元に配付のとおりであります。

  次に、議会運営委員会において視察研修を行いましたので、その調査結果報告については、お手元に配付のとおり、委員長から報告があります。

  次に、馬場勝彦君から仙南地域広域行政事務組合議会定例会の報告がありましたので、お手元に配付のとおりであります。

  次に、平間武美君から宮城県後期高齢者医療広域連合議会定例会の報告がありましたので、お手元に配付のとおりであります。

  次に、本定例会3月会議に説明員として出席を求めた者の職、氏名については、一覧表としてお手元に配付のとおりであります。

  なお、病院事務長は親族の冠婚葬祭のため欠席届があります。

  次に、町長からあいさつの申し出がありますので、これを許します。町長。

     〔町長 村上英人君 登壇〕

町長(村上英人君) 皆さん、おはようございます。

  3月会議の開会に当たりまして、ごあいさつを申し上げさせていただきます。

  顧みますと、昨年のこの時期でありますが、2週間に及ぶ記録的な豪雪によりまして農業用施設などに甚大な被害を受け、農作物災害対策本部を設置しながら、その対応に追われましたが、その後、おかげさまで着実に営農再開が進み、安堵しているところであります。

  一方、平成23年3月発生の東日本大震災から、早いもので間もなく丸4年目を迎えようとしております。昨年、宮城県では3月11日を「みやぎ鎮魂の日」と定め、多くの犠牲者の方々に追悼の意をあらわすとともに、震災の記録を風化させることなく後世に語り継ぐため、各地で追悼式などが行われることになっており、本町においても午後2時46分に町内一斉にサイレンを鳴らし、黙祷をささげることにしております。

  沿岸部各地で復興に向けたつち音は日々聞こえますが、まだまだ満足できるものではなく、被災された多くの方々が一日も早くもとの生活に戻れるよう心から願いながら継続的な支援を行ってまいりたいと考えております。

  本町においても、原発事故に係る汚染牧草などの処理や経営継続に向けた諸課題がありますが、その解決に向け全力で取り組んでまいります。詳しい今後の展望につきましては、後ほど施政方針で述べたいと存じます。

  本町においても蔵王山の火山活動の活発化を初め、さまざまな自然の脅威を真摯に受けとめ、住民の尊い生命と財産を守ることを礎としながら、第4次長期総合計画の後期計画に掲げた各種施策を計画的に実施し、災害に強い、安全で安心のできる地域づくりを目指して意を新たにしておるところであります。

  さて、今般の会議では、総額575,000万円に及ぶ平成27年度一般会計当初予算や7件の各種特別会計当初予算、各種条例の制定、並びに一部改正、並びに補正予算など、議案第6号から第40号まで35議案を上程させていただきました。つきましては、全議案とも慎重審議のうえ、可決決定くださいますようよろしくお願いを申し上げ、私のあいさつとさせていただきます。

  なお、本日の会議終了後、引き続き、JAみやぎ仙南蔵王漬物センター新築事業・機械整備事業に係る町補助金の取り扱いについての議員全員協議会を開催させていただきますので、よろしくお願いを申し上げます。

議長(佐藤長成君) 以上で諸般の報告を終わります。

                                           

     日程第4 行政報告

議長(佐藤長成君) 次に、日程第4、行政報告を行います。

  町長から行政報告の申し出がありましたので、これを許します。町長。

町長(村上英人君) 初めに、総務経済部門の行政について、ご報告を申し上げます。

  まず、「宮城県不忘園の元職員に係る国家賠償請求事件の裁判経過」について、ご報告を申し上げます。

  当該裁判の第一審判決は、被告である「宮城県」、「白石市」、「蔵王町」及び「七ヶ宿町」の主張がすべて認められた形の全面勝訴となりましたが、原告側が、第一審判決を全部不服であるとして、平成26年9月30日に仙台高等裁判所民事部に控訴状を提出し、控訴を提起したことは、平成2612月会議で、ご報告申し上げたところであります。

  控訴審の第1回口頭弁論は、1月20日(火)午前1100分に、仙台高等裁判所第402号法定で行われたところでありますが、原告側は、答弁書に対する再反論があるとの主張をしたため、3月19日(木)に、第2回口頭弁論が行われることになりました。

  以上ご報告申し上げます。

  次に、「連続火災発生と予防対策」について、ご報告申し上げます。

  1月3日(土)夕方に建物火災、そして3団体合同出初め式の行われた1月11日(日)夜遅くから12日(月)未明にかけて、建物を含む連続する4件の火災が発生しました。

  特に、1月11日(日)から12日(月)にかけて発生した4件の火災のうち、3件については出火原因が不明のままとなっているところであります。

  幸いにして、いずれの火災も人的被害はありませんでしたが、町としましては、何らかの火災予防対策を講じなければならないと考え、町、消防団そして消防署が連携して、13日(火)から、それぞれに時間を割振りしながら、夜間の巡回広報を継続して行っているところであります。

  その後、火災は発生しておりませんが(2月20日現在)、これから春にかけては、空気が乾燥し火災が発生しやすくなる季節でありますので、気をゆるめることなく、3月1日(日)から始まった「春季火災予防運動」に合わせ、引き続き火災予防対策を講じて参りたいと考えております。

  以上ご報告申し上げます。

  次に、「蔵王山の火山活動と防災体制」について、ご報告申し上げます。

  蔵王山の火山活動の状況は、昨年8月以降、活動の高まりがみられており、火山性微動については、昨年12月に2回、本年1月に1回発生しております。

  現在、東北地方整備局が、「新たな被害想定の策定」に着手中でありますが、今月開催予定の第3回「蔵王山火山噴火緊急減災対策砂防計画検討委員会」において、年度内の成案を目指しているところであります。

  今後、この策定案を受けまして、国、山形・宮城両県、関係市町、火山専門家等を中心とする関係機関で構成される「火山防災協議会」において、噴火時に、関係機関が迅速かつ円滑な防災対応をとるために、平常時から「顔の見える関係」を築き、噴火時に必要な防災対応を共同で検討するための体制づくりに努めてまいります。

  なお、本協議会は、噴火シナリオの作成、火山ハザードマップの作成、噴火警戒レベルの設定、避難計画の策定等を推進していく重要な役割を担っているものであります。

  また、火山噴火に備えた緊急対策として、火山監視機器や情報通信網の整備促進が重要であると考えており、先月2月に開催された県南サミットにおいて、私からその事を、宮城県知事に直接要望させていただき、知事からは、「極めて重要で優先順位が高い。国にしっかり要望していく」との回答をいただいたところであります。

  町といたしましては、今後の火山活動の情報に注意を払うと共に、住民に対する注意喚起や防災情報の提供を充実させ、災害発生時における万全な体制づくりをさらに講じて参りたいと考えております。

  以上ご報告申し上げます。

  次に、「資源循環型炭化鶏糞供給事業」について、ご報告申し上げます。

  本事業については、平成26年5月に国の「地域経済循環創造事業交付金」が交付決定され、議会定例会6月会議で補正予算が可決決定されたことを受け、同年8月に補助金の交付決定をしたところであります。

  その後、議会定例会10月議会において、建設反対の請願が採択され、請願書が送付されたことから、事業者へ事業実施方法等の意向確認の文書を送付したところであります。

  事業者からは、本年1月27日付けで、建設場所を変更して事業を継続するとの回答を得ておりますので、国の交付金については、繰越の手続きを進め、町の補助金については、繰越明許費として補正予算を提出したところであります。

  新たな建設予定地については、既に事業者主催の説明会を開催しておりますが、今後、地域住民の理解を得ながら、事業が円滑に実施できるよう事業者を指導していきたいと考えております。

  以上ご報告申し上げます。

  次に、「蔵王ジオパーク構想の展望」について、ご報告申し上げます。

  蔵王ジオパーク構想については、宮城・山形両県の、3市3町が連携しての推進を提案しておりましたが、昨年12月末に開催された蔵王(ZAO)広域振興協議会「第22回蔵王サミット」において、「現在、蔵王の火山性微動や御釜湖面の白濁など、噴火の危険性が高い状況であり、今は、防災・減災対策を最優先に取り組むべきである」とのことで意見が一致したところであります。

  蔵王ジオパーク構想については、防災・減災対策がある程度整備され、住民はもとより観光客等に安心感を与えられた時期に、改めて蔵王(ZAO)広域振興協議会において協議していくこととなりました。

  本町においては、広域連携での事業推進に向けた活動は休止するものの、町内の各小中学校や団体、一般の方々を対象とした「出前授業や出前講座」、ジオパーク案内人育成のための「ジオガイド養成講座」、宮城蔵王ガイド協会との「ジオ体験ツーリズム」などは、地元の宝や魅力を感じていただく地域振興策として重要なものであることから、今後も引き続き事業を展開して参りたいと考えております。

  以上ご報告申し上げます。

  次に、「町道城山線道路改良工事などの進捗状況」について、ご報告申し上げます。

  町道城山線は、関連する平家川河川改修事業と合わせ、宮城県との費用負担契約により工事を実施して参りましたが、「新井戸井橋」及び国道4号線分岐から延長72mの改良工事が完成し、供用を開始しております。なお、車両通行止めの規制については、平成27年1月31日に解除したところであります。

  また、町道田中欠前線道路改良事業については、平成268月に契約し、延長221mを発注しておりましたが、本年度で全体計画延長873mの改良事業が完了する予定となっております。

  以上ご報告申し上げます。

  次に、「コンビニ並びにクレジット納付導入」について、ご報告申し上げます。

  現在、町税については、納税組合、口座振替、郵便振替及び銀行等の窓口納付により納付していただいているところであります。

  当町は、固定資産税をはじめ、町外納税者による納付額が6割以上という特性があり、特に、指定金融機関等が近くにない県外納税者にとっては、大変不便な納付環境となっているところで、これまで、口座振替の推進やコンビニ並びにクレジットによる納付など、納付方法の見直しを検討してきたところであります。

  その中でも、コンビニ並びにクレジット納付については、その利便性から、以前より納税者からの要望が多いものであり、収納率の上昇も期待されるものでありました。

  今般、「納税者の利便性が向上すること」、「納税収納システムが、コンビニ等収納に対応しており、導入のための初期投資費用が抑えられること」、さらには、「収納率の上昇が期待されること」などを勘案し、4月1日からコンビニ並びにクレジット納付を実施することとしたところであります。

  当初は、住民税、固定資産税、国民健康保険税、軽自動車税の4税でスタートしますが、これら以外の公金についても順次実施する予定としており、今後も、納付者の利便性の向上と収納率の上昇に努めて参りたいと考えております。

  以上ご報告申し上げます。

  次に、「60周年記念ナンバープレート交付」について、ご報告申し上げます。

  町制施行60周年を迎えるにあたり、その記念事業の一環として、原動機付自転車などの「ご当地ナンバープレート」を、平成27年度の一年間交付することといたしました。

   ナンバープレートは、「御釜」と「ざおうさま」のオリジナルデザインをあしらったもので、50CCが白色、90CCが黄色、125CCが桃色を基調色としたものであります。

  「ご当地ナンバープレート」を交付することにより、町民が地域への愛着と誇りをもつことができ、さらには、近隣市町の方々や観光客に、蔵王町を大いにPRできるものと期待しているところであります。

  交付開始となる4月1日には交付式を行うとともに、4月中は記念品を贈呈し、年度末までに少しでも多くの方々に交付することができるよう、記念事業の第一弾として盛り上げて参りたいと考えております。

  以上ご報告申し上げます。

  次に、「日本の蔵王ヒルクライム・エコ2015大会の休止」について、ご報告申し上げます。

  毎年5月中旬、蔵王エコーライン・ハイラインを会場に、全国から集まった大勢のサイクリスト達が爽やかな新緑や雪の回廊の中を駆け上る「日本の蔵王ヒルクライム・エコ」大会を開催しておりますが、蔵王山の火山活動活発化に伴い、2015大会は選手や運営スタッフの安全確保を最優先させるため、昨年1218日の実行委員会において開催の休止を決定いたしました。

  今後、火山噴火による被害想定が固まり、それに基づく安全対策の対応等が可能になりましたら、大会再開に向けて取り組んで参りたいと考えております。

  以上ご報告申し上げます。

  次に、教育民生部門の行政について、ご報告を申し上げます。

  「仙南夜間初期急患センターの開所」について、ご報告申し上げます。

  来る3月9日に「仙南夜間初期急患センター」が開所する運びとなりました。

  この施設建設にあたっては、平成22年1月の「宮城県地域医療再生計画県南地域」の策定により、仙南地域における平日夜間初期救急外来の開設に向け、仙南地域医療対策委員会等で検討を重ねて、設置を目指してきたものであります。

  設置場所は、大河原町のみやぎ県南中核病院敷地内で、昨年8月から建設が始まり、開所に向け順調に進んできたところであります。

  先月23日には、みやぎ県南中核病院において、無事に開所式が行われました。同時に内覧会が開催され、施設を見学いたしましたが、必要最小限にして機能的であり、白を基調とした明るい室内でありました。

  この仙南夜間初期急患センターの開所により、仙南地域の初期救急体制が整い、2次、3次救急医療と切れ目ない医療体制のもと、地域住民の皆様に安心いただけるものと考えております。

  なお、住民の皆様には、今月号の「広報ざおう」におきまして、診療開始のお知らせをさせていただいたところで、受付時間は平日の1845分から2130分までとなっているところであります。

  以上ご報告申し上げます。

  以上、申し上げ、行政報告とさせていただきます。

議長(佐藤長成君) 以上で行政報告を終わります。

                                           

     日程第 委員会調査報告

議長(佐藤長成君) 続いて、日程第5、委員会調査報告を議題といたします。

  議会運営委員会において視察研修を行ったので、その結果について委員長から報告願います。

  15松ア良一君、登壇願います。

     〔議会運営委員長 松ア良一君 登壇〕

15番(松ア良一君) それでは、委員会調査結果を報告いたします。

  本委員会は、下記のとおり視察研修を実施し、その結果は下記のとおりでしたので報告します。

  1.視察研修期間  平成27年1月21日(水)〜22日(木)

  2.研修視察先及び研修事項

          (1)東京都中野区議会  「議会ICT化の取り組みについて」

          (2)埼玉県所沢市議会  「議会事業評価について」

  3.視察研修委員  委員長 松 ア 良 一

            委  員 水 澤 智 孝

            委  員 馬 場 勝 彦

            委  員 大 沼 昌 昭

            委  員 川 村   仁

        委員外 議  長 佐 藤 長 成

  4.随行職員    事務局長 村 上 惠 造

  5.視察研修の内容

   (1)東京都中野区議会 「議会ICT化の取り組みについて」

               :タブレット端末導入の状況及び今後のICT化推進

      平成27年1月21日(水)午後1時30分から

      中野区議会棟 3階 応接室

      対応者 中野区議会 議長 伊東 しんじ氏

             同  事務局 庶務係長 佐藤 長一郎氏 外2名

      中野区議会におけるタブレット端末導入の状況及び今後のICT化推進について説明を受けた後、質疑による内容確認及びタブレット端末を実際に使用・確認して調査を行った結果は別紙のとおりである。

   (2)埼玉県所沢市議会 「議会事業評価について」

:議会事業の評価状況及び議会活動への反映

      平成27年1月22日(木)午前10時から

      所沢市議会棟 8階 会議室

      対応者 所沢市議会 議長 浅野 美恵子氏 外3名

            同  事務局 副主幹 瀧澤 恵氏 外1名

      所沢市議会における議会事業の評価状況及び議会活動への反映について説明を受けた後、質疑による内容確認等調査を行った結果は別紙のとおりである。なお、当日は岡山県笠岡市議会との合同研修となった。

  6.まとめ

   (1)議会ICT化の取り組みについて

      議会ICT化において現在注目されているタブレット端末の導入については、導入による効果として、膨大な審議資料等をデータ化し、書類を大幅に減少させることによる作成費用や事務量の軽減が考えられる。特に紙資源の節約は地球環境への負担軽減効果が大きいと考えられるが、データ化が難しいものもあることから、完全なペーパーレス化は難しいと思われる。

      また、複数年度の資料を比較したり、資料への書き込みなどはなかなか容易ではなく、操作方法等について十分な研修が必要である。

      さらに、導入時には端末整備のほか無線環境整備等多額の設備費が必要となるほか、導入後も通信料等の費用が発生することから、ペーパーレス化による効果だけでは導入成果として乏しいと思われ、ICT化の促進が住民への情報開示や住民からの意見聴取等に活用できるような、具体的な方法を十分に検討する必要がある。

   (2)議会事業評価について

      議会が行う事業を自ら評価し住民に報告することは、説明責任を果たす上でも大変意義があり、評価内容を今後の事業実施へ反映させ、さらにより良い事業へと改善していくことは当然必要なことである。

      また、議会改革についても議会基本条例の条文ごとに評価を行い、さらに取り組みを強化しようとしており、本町においても平成22年度2月に議会基本条例を制定してから5年が経過することから、これまでの取り組み状況を検証し、今後の議会活動に反映する必要があると思われる。

      なお、議会事業や議会改革について評価した結果を公表する場合は、その結果について住民の意見などを聴取することも必要であり、議会報告会等の広報広聴活動をさらに活発に行う必要がある。

  以上、報告といたします。

議長(佐藤長成君) 以上で委員会調査の報告を終わります。

                                           

     日程第6 町長の施政方針表明

議長(佐藤長成君) 次に、日程第6、町長の施政方針表明を行います。町長。

     〔町長 村上英人君 登壇〕

町長(村上英人君) 平成27年蔵王町議会定例会3月会議が開催されるにあたり、ご審議いただきます平成27年度一般会計予算をはじめ、各議案の説明に先立ち、町政運営に対する私の基本的な考え方を申し述べ、議員の皆様をはじめ、町民の皆様のより一層のご理解とご協力をお願い申し上げる次第であります。

  さて、本町は、本年4月1日で町制施行60周年を迎えることになりました。

  この節目の年にあたり、町の発展と町民の生活向上のため、英知を結集し、幾多の困難を乗り越えながら、今日の蔵王町を築いてこられた先人の皆様に対し、心より敬意と感謝を申し上げるものであります。

  私も、町政を預かる立場として、議員の皆様、町民の皆様のご指導、ご協力を賜りながら、今後とも、町の発展、町民の福祉の向上に向け、なお一層努力していきたいと決意を新たにしているところであります。

  さて、急激な少子・高齢化、人口減少社会を迎えている我が国の現状を踏まえ、安倍内閣は「地方創生」を最重点課題と位置付け、昨年12月に策定した「まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づき、各種施策を展開しようとしております。

  本町では、「第四次蔵王町長期総合計画」に基づき、各種まちづくり施策を計画的に進めているところでありますが、新年度中に「蔵王町 まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定し、「活気ある、住みよいまちづくり」に向けた施策を、さらに推進していきたいと考えております。

  次に、防災・減災対策について申し上げます。

  県内の津波被災地では「東日本大震災」からの復興途上にある中、ここ数年、記録的な豪雨、豪雪などにより、大規模な被害が、国内各地で相次いでいるところであります。

  また、昨年9月には御嶽山の噴火により、大規模な人的被害が発生し、さらに10月には、仙台管区気象台から蔵王山の火山活動が活発化しているという解説情報が出され、町民はもちろん、観光客や登山客の安全対策、警戒避難対策の充実が求められるところであります。

  このように多様な災害対策を求められている状況ではありますが、町民の生命、財産を守っていくことは、行政の最も大切な使命であると考えております。

  これまでも、火山災害対策では監視機器や情報通信網の整備を再優先と考え、国・県などに要望を行ってきましたが、今後も関係機関、関係市町との連携、協力のもと、防災・減災対策を強化する一方、本町単独で実施できるものについては、できる限り早期に取り組んでいきたいと考えております。

  次に、本町を取り巻く経済情勢について申し上げます。

  国政においては、昨年12月の総選挙において、多くの国民が安定した政治を選択し、安倍内閣の経済対策「アベノミクス」が継続することになったところであります。

  現在、国全体では、円安を背景に輸出関連企業の業績が堅調に推移する一方、消費税率引き上げの影響で国内消費が低迷していることから、景気の足踏み状態が続いており、国では3兆5,000億円余りの緊急経済対策を柱とする補正予算で、景気対策に力を入れているところであります。

  一方、本町においては、震災復興需要などにより、雇用情勢は概ね安定しているのではないかと考えております。

  しかしながら、一方では東日本大震災や福島第一原子力発電所の事故による風評等の影響が残る中、蔵王山の火山活動の影響も加わり、観光関連事業などを中心に、厳しい状況にある企業・個人事業者も多いのではと認識しております。

  また、農業については、米価の大幅な下落や生産調整における補助金の減額により、農家経済は大きな痛手を被っていることに加え、農協改革、農業委員会制度改革など、国の政策の見直しに伴い、非常に大きな転換期を迎えており、TPP交渉も厳しい状況が予想されます。

  本町においては、こうした経済情勢の中、町民の皆様が安心して暮らすことができるまちづくりを目指し、引き続き各種経済対策や、高齢者、障がい者、子育て世代などの支援に努めていきたいと考えております。

  次に、平成27年度を含めたこれからの財政運営について申し上げます。

  昨年9月会議における「平成25年度決算の評価・概要」でも申し上げたとおり、本町の財政状況は、財政健全化法に定める「実質公債費比率」などの指標や地方債の現在高、基金積立額の状況などをみると、健全財政を維持できている状況にあると考えております。

  しかしながら、毎年申し上げているところでありますが、高齢化の進展に伴う社会保障費の自然増に加え、公共施設の補修費や更新費用の増加、防災・減災事業の増加など「安全で安心な、住みよいまちづくり」を進めるためには、避けることのできない財政負担が、年々増大していくのではないかと考えております。

  また、蔵王病院・刈田綜合病院については、依然として厳しい経営状況が続いており、本町の財政に少なからず影響を与えているところでありますが、地域医療や二次医療・救急医療の中核的病院を維持していくことはとても重要なことと思っております。

  仙南地域広域行政事務組合(仮称)仙南クリーンセンターの新年度の負担金は、26年度に比べて10倍以上になっているほか、近い将来、これ以外の衛生施設についても、老朽化による建て替えや、廃止施設の解体などに伴う負担が増えてくるのではないかと考えております。

  こうした状況で、今後とも町が自立して自らの道を切り開いていくためには、できる限り歳出を削減し、歳入を確保しなければなりません。

  国では、平成27年度予算案において、134,000億円になっている基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字を、5年後の平成32年度には黒字化するとしており、年内にも大幅な歳出削減を伴う「財政再建計画」が示されるのではないかと考えております。

  このことは、本町の財政運営にも大きな影響が出てくるものと考えられ、既に国の平成27年度一般会計予算案では、地方交付税への繰り出しを前年度対比3.8%のマイナスにしているなど、今後益々厳しさが増してくるものと認識しているところであります。

  このように、今後の財政運営は、決して楽観できる状況にはありませんが、安全で安心、そして心豊かに暮らせる、健全で活力ある地域社会を、町民の皆様と行政が一緒になって作っていく、「協働のまちづくり」を目指していくことが、私に課せられた大きな使命であると考えております。

  次に、平成27年度の予算編成にあたり、基本的な考え方を申し上げます。

  平成27年度一般会計予算の総額は、前年度に比べて6.5%、3億5,000万円増の575,000万円としました。

  26年度に続き、町税収入の増加が見込まれることや、公共施設の増築・道路改良事業費などを増額したことに加え、(仮称)仙南クリーンセンターの負担金が大幅に増えたことが、増額になった主な要因であります。

  また、国の平成26年度補正予算では、「地域住民生活等緊急支援のための交付金」を創設し、地域消費喚起・生活支援及び地方創生先行事業を実施する自治体に交付することにしておりますので、この交付金に係る事業を繰越明許とし、新年度事業と合わせて執行することとしております。

  なお、平成27年度の主要事業・新規事業を一覧表として添付させていただきましたので参考にして頂ければ幸いであります。

  次に、主な歳入について申し上げます。

  まず、町税では、個人町民税は、引き続き雇用情勢が安定していると見込まれることから、前年度対比6.2%増、一方法人町民税は、地方法人税への税源移譲に伴い、税率が引き上げになることから3.7%減を見込んだところであります。

  固定資産税については、地価下落傾向が続いているものの、徴収率が向上していることなどを踏まえ、前年対比2.7%増を見込んだところであります。

  地方消費税交付金については、昨年4月に実施した地方消費税率改定が、新年度の収入分から完全に反映されるため、前年度に比べ4,6131,000円・28.7%の増を見込んでおります。

  なお、地方消費税交付金のうち、社会保障費に充てる分(税率引き上げ分)は8,6321,000円と見込んでおります。

  地方交付税のうち、普通交付税は、町税収入を2.3%増と見込んでいることなどを考慮し、前年度対比3.5%減とする一方、(仮称)仙南クリーンセンター負担金の一部について、震災復興特別交付税が措置される見通しであることから、全体では10.0%増額と見込んでおります。

  国庫支出金については、道路改良事業に係る土木費国庫補助金が大幅に増えたことなどから、前年度対比31.4%増としたところであります。

  県支出金については、緊急雇用対策事業の大幅な縮減等により、前年度対比14.0%減としたところであります。

  繰入金については、B&G蔵王海洋センター及び宮保育所の増築工事などの財源に充当するため、各基金からの繰り入れを行いましたが、地域の元気臨時交付金基金からの繰り入れがなくなったことなどから、前年度対比9.3%減としたところであります。

  また、多様化し、増加する財政支出需要に対処するため、財政調整基金から1億6,000万円を繰り入することとしております。

  次に、歳出予算における主な事業について、第四次蔵王町長期総合計画に掲げる「施策の大綱」ごとにご説明申し上げます。

  まず、健やかなまちづくりに向けてであります。

  平成24年8月に成立して「子ども・子育て関連3法」に基づく「子ども・子育て支援新制度」は、新年度からスタートするところであります。

  本町においては、平成27年度から5カ年間の「蔵王町子ども・子育て支援事業計画」を策定し、子ども・子育て支援に係る各種施策を総合的に推進することにしております。

  計画のスタートとなる新年度は、「地域住民生活等緊急支援のための交付金」も活用しながら、町独自の施策である「すこやか養育助成金」、「乳幼児紙おむつ券助成」、「子ども医療費助成」などの各種施策を継続し、子育て世帯の経済的支援に努めて参ります。

  また、26年度から小学1年生から中学2年生までの児童・生徒に対し、自己負担1,000円で「インフルエンザ予防接種」が受けられるようにしたところでありますが、新年度から助成対象年齢を0歳児まで引き下げ、家庭内感染の予防にも努めることにしております。

  「あったか支援金」、「母子・父子家庭医療費助成制度」についても制度を継続し、ひとり親世帯の経済的支援に努めて参ります。

  保育サービスでは、新年度に、宮保育所の保育室増築工事を行い、今後の保育のニーズに応えることにしております。

  児童館では、新年度から放課後児童クラブの対象児童を、小学6年生まで拡充することにしていますので、臨時職員を増員し、児童の健全育成及び施設内の安全確保に努めて参ります。

  また、繰越事業になりますが、不妊治療を受ける方に新たな補助制度を創設するなど、「蔵王町子ども・子育て支援事業計画」の基本理念に掲げる「子どもを生み育てることを喜び、悩みを共に分かち合い、支えあえる町」の実現を目指していくことにしております。

  高齢者や障がい者福祉についても、食の自立支援事業(配食サービス)、介護用品支給事業、障害者地域生活支援事業など、各種支援事業を継続し、よりきめ細かに各種サービスの提供に努めることにしております。

  次に、地域医療の充実に向けては、地域の医師会などと連携しながら、休日診療、救急診療の体制を維持すると共に、近隣市町と共同で、16歳以上を対象とした「仙南平日夜間救急外来診療」を開始するほか、蔵王病院の体制強化を図り、必要な時に必要な治療を受けることができる医療体制を維持していきたいと考えております。

  次に、所得が少ない方の支援については、26年度に続き実施することとしている「臨時福祉給付金」、「子育て世帯臨時特例給付金」に加え、本町独自の施策(繰越事業)として、高齢者、障がい者、母子・父子世帯のうち、住民税非課税世帯に対し1世帯あたり5,000円の福祉商品券を配布し、より一層経済的支援を充実することにしております。

  次に、学び楽しむまちづくりに向けてであります。

  教育分野においては、平成26年6月に改正された「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」に基づく、地方公共団体の長と教育委員会との連携の強化などを盛り込んだ新しい教育制度が、新年度からはじまります。

  こうした中、本町においては「蔵王町学校教育環境検討委員会」からの小中学校の統合が適当であるという答申を受け、今後の学校教育のあり方について、町長事務部局と教育委員会が連携し、具体的な対応策を協議していくことにしたところであります。

  この件につきましては、将来の蔵王町を担う「子どもたちの教育環境」をどのように整えていくのかということを最優先に考えながら、具体的な施策を取りまとめていきたいと考えているところであります。

  次に、学校教育については、すべての児童・生徒が、蔵王町の自然・文化・歴史に慣れ親しみ、創造性と人間性豊かな子どもに育つよう、スキー教室や地域の人と合同で実施する防災訓練などを、継続することにしております。

  また、継続事業として「特別教育支援員」9名を配置し、特別な支援を必要とする児童・生徒一人ひとりのニーズに適切に対応するほか、新年度から「いじめ防止専門委員会」等を設置し、なお一層、児童・生徒の健全育成に努めて参ります。

  更に、外国語指導助手による英語教育の充実や学び支援コーディネーター、学校支援員による課外授業、学校図書支援員による学校図書室の機能充実など、児童・生徒の学力向上に向けた取り組みを継続することにしております。

  学校の施設整備では、26年度に続き小学校の職員室・校長室エアコン設置工事を進めるほか、小中学校の修繕料を増額し、施設の安全確保と教育環境の向上に努めて参ります。

  幼稚園については、照明器具をLED照明に改良することにしております。

  次に、生涯学習分野では、昨年の「ふるさと文化会館開館10周年」に続き、町制施行60周年記念事業として、年間を通してコンサートや演芸会などを実施していくことにしております。

  スポーツイベントでは、昨年に続き11月に「三遊亭円楽杯ゲートボール交流大会」を開催するほか、5月には公益財団法人日本ゲートボール連合が主催する「笹川良一杯第30回全国選抜ゲートボール大会」を総合運動公園で開催し、競技の振興と、交流人口の増加を図って参ります。

  生涯学習、生涯スポーツ施設については、平沢地区公民館の屋根改修を行うほか、B&G蔵王海洋センターに観覧席を設置するなどの増築工事を行い、なお一層利用しやすい施設づくりに取り組んで参ります。

  次に、美しい快適なまちづくりに向けてであります。

  はじめに、昨年の御嶽山の噴火では、自然界のエネルギーの脅威をまざまざと見せつけられたところであります。

  一方で火山は、美しい風景や温泉、更に肥沃な大地を生みだすなど、地域の人々に大きな恩恵をもたらしております。

  現在、蔵王山は火山活動が活発化しているとされていますが、ふもとに暮らす私たちは、火山の危険性と恩恵を改めて認識しなければならないと考えているところであります。

  こうした現状を踏まえ、ジオパーク出前講座、ジオパーク教室などを継続して開催し、環境の保全にとどまらず、火山活動に対する備えなどの啓発に努めていくことにしております。

  また、地球環境にも配慮した「循環型地域社会」の形成を目指して実施している「住宅用太陽光発電システム設置事業補助金」も継続していくことにしております。

  道路整備では、引き続き「城山線」の改良工事を進めるほか、新年度から「湯口線」改良工事に着手することにしております。

  併せて、下別当1号線、台町鎌倉線(学校前橋)については、改良に向け設計を進めていくことにしております。

  また、昨年2月の大雪の際は、除雪作業に手間取ったことを踏まえ、ロータリーも装着できる除雪ドーザーを購入することとし、引き続き安全で快適な道路の維持・整備に努めて参ります。

  次に、活気あるまちづくりに向けてであります。

  まず、冒頭で申し上げたとおり、国の大きな政策転換に加え、福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故、蔵王山の火山活動活発化などにより、本町の基幹産業である「農業」と「観光」は、厳しい状況にあると考えております。

  こうした中、引き続き農産物の安全・安心には万全を期すと共に、安全・安心を発信し続けるため、空間放射線量や農産物の放射能測定を継続し、その結果をホームページや広報号外版で公開していくなど、正確な情報開示に努めていくことにしております。

  また、「果樹病害虫防除対策事業」については、新年度も継続し、一斉防除により農産物の品質を高めいてきたいと考えております。

  次に、イノシシ等による獣害対策については、年々被害が拡大しておりますので、「農作物有害鳥獣駆除対策事業補助金」を大幅に増加し、駆除に努めるほか、電気柵設置事業の補助金も倍増し、被害の軽減に努めていくことにしております。

  次に、仙南広域農道については、本年秋に全面開通になる見通しで、新年度は、ガードレールなどの施設や案内板を整備する予定であります。

  また、円田2期地区ほ場整備事業については、3月末までに換地登録を申請する見込みであり、新年度は補完工事等を実施し、生産基盤をしっかりと整備していくことにしております。

  次に、「プレミアム付き商品券発行事業」については、「地域住民生活等緊急支援のための交付金」を活用した繰越事業で、今までより規模を拡大して実施し、なお一層、地域の商業振興に努めていくことにしております。

  また、観光振興については、同じく繰越事業でありますが、防災協定を結んでいる東京都葛飾区の住民を対象とした「宿泊費助成付きの旅行プラン」をつくり、遠刈田温泉で受け入れることにするほか、新年度に設立予定の「蔵王町観光物産協会」の体制強化に向けた助成を行うなど、各種振興対策に取り組んでいくことにしております。

  なお、「日本の蔵王ヒルクライム・エコ」については、火山活動活発化に伴う被害想定などが定まらないため、イベント中の防災・避難誘導計画などを策定できないことから、本年は中止せざるを得ないという結論に至っておりますが、「とおがった大道芸」や「全国伝統こけしろくろまつり」などのイベント支援のほか、各種キャンペーンを展開し、誘客に努めていきたいと考えております。

  次に、共に創るまちづくりに向けてであります。

  まず、防災、減災対策については、冒頭で述べたとおり、行政と町民の皆様が一体となり、「自助」、「互助」、「公助」の精神に基づき、いろいろな災害を想定した各種施策を早急に進めていく必要があると考えております。

  こうした中、地域の防災・減災、安全・安心の担い手である消防団、交通指導隊及び防犯実働隊の団員・隊員を育成していくことは、将来のまちづくりにおいても重要なことだと認識しております。

  こうしたことから、新年度で消防団員の防火衣を配備するほか、繰越事業で交通指導隊員及び防犯実働隊員の制服を更新することにしております。

  自主防災組織については、設立支援・指定避難所太陽光発電システム設置の補助を継続するほか、行政区との連携を深め、できるだけ早く町内各地で、自主防災組織の設立を進めていきたいと考えているところであります。

  災害対策用備蓄資機材については、町内5地区のうち、既に4地区で配備が完了しており、新年度は、宮地区指定避難所に配備することにしております。

  また、今まで「観光振興」を主な目的に設置していた刈田岳山頂の「ライブカメラ」が老朽化したことから、繰越事業において、火山活動の監視にも対応できる高感度カメラを併設した設備に更新し、今年のエコーライン開通時期に合わせて設置する予定であります。

  なお、年間を通した火山監視・情報発信体制を整備するうえで必要な山頂付近の恒久電源の確保については、引き続き関係機関に働きかけて参ります。

  次に町制施行60周年の記念事業については、4月10日に記念式典を開催するほか、ざおうさまをデザインした「ご当地ナンバープレート」の交付、企業や個人事業者のご協力をいただき作成している「くらしの便利帳」を発行し、さらに9月上旬に記念事業を開催することにしております。

  次に「社会保障・税番号制度」は、本年10月に個人番号を全世帯に通知し、28年1月から運用を開始することになっております。

  運用開始に向けては、個人情報の保護に万全を期すと共に、必要なシステム改修費を当初予算に計上し、円滑に実施できる体制を整えていくことにしております。

  次に「地方創生」への取り組みについて申し上げます。

  第189回国会の施政方針演説で、安倍総理は「熱意ある地方の創意工夫を全力で応援する。それこそが安倍内閣の地方創生であります。」と述べておられます。

  本町の恵まれた自然環境、多彩な農産品など、町の資源を活かした、持続可能な仕組みづくりに向け「まち・ひと・しごと総合戦略」を、できるだけ早い時期に策定したいと考えております。

  このため、私を本部長とし、各課の課長等で構成する「蔵王町まち・ひと・しごと創生推進本部」を立ち上げ、本日夕方に第1回目の会議を開くことにしております。

  なお、総合戦略は、アンケート調査、町民の代表で組織する会議や住民懇談会などを通じて、町民の皆様の意見を反映させながら策定する予定であり、繰越事業として関連予算を計上することにしております。

  次に、財政健全化に向けては、将来の町債繰上償還などに備え、減債基金への積立を継続するほか、歳入になりますが、町債の発行については、将来の実質的な財政負担等も考慮しながら、適正水準を維持していくことにしております。

  町制施行60周年という節目の年度にあたり、今まで申し上げたことを踏まえながら、町政の責任者として、覚悟を持って決断し、各種施策を進めていきたいと考えております。

  町民の皆様、並びに議員の皆様の一層のご理解とご協力、そしてご支援を心からお願い申し上げ、平成27年度の施政方針といたします。

議長(佐藤長成君) 以上で、町長の施政方針表明を終わります。

  以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。

  本日は、これをもって散会いたします。

  大変お疲れさまでございました。

     午前11時09分 散会