健康一口メモNo357
おしりのはなし

公立刈田綜合病院外科 　医師　二科 　オリエ　先生

　ナポレオン、加藤清正、夏目漱石。痔に悩んでいたとされる歴史上の偉人が多いのをご存知でしょうか。潜在的な患者さんも含めると、日本人の約40％が痔疾患であるとも言われています。
　痔疾患は、痔核（いぼ痔）・裂肛（切れ痔）・痔瘻の3つに大別されますが、一番多いのが痔核です。肛門内の壁がうっ血し、膨らんでくる病気です。初期には症状はありませんが、ひどくなるとトイレの度に肛門から出てきたり、出たまま戻らなくなったりします。さらに出血や、排便しづらくなることも。重度の場合は手術が必要となることもありますが、ほとんどは生活習慣の改善や処方薬で良くなります。肛門に負担がかかることが原因なので、便秘をしないこと、トイレは短時間で済ませることが大事です。食物繊維を多く摂取し、トイレでの読書やケータイはやめましょう。ゆっくり入浴することも効果的と言われています。
　また、痛みを伴うことが多い肛門周囲膿瘍（化膿）では糖尿病が隠れていることもあります。
　おしりに悩んだら病院へ。早めにププっと解決しましょう。