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健康を守る行事



健康一口メモNo336
根面う蝕(歯の根元の虫歯)はなぜ多い?
象牙質とエナメル質の違いとは?

谷津歯科医院 院長 谷津 善昭 先生

 高齢化が進む中、大人のう蝕が増えています。加齢や歯周病によって歯肉が退縮し、露出した根面は、容易に象牙質が露出し、う蝕ができやすくなります。
 その原因は、エナメル質と象牙質との違いにあります。エナメル質と象牙質は構成部分や硬さに違いがあります。象牙質は、軟らかい等のため、う蝕になりやすいものです。さらに根面う蝕になりやすい原因としては、象牙質の性質が影響しています。エナメル質が溶け出す臨界pHは5.5〜5.7と少し酸性です。一方、象牙質は、pH6.0〜6.7で中性に近いところで脱灰します。より中性側で脱灰が起こるため、エナメル質よりう蝕になるリスクが高いのです。発見が遅れて歯を失う可能性もあります。
 いつまでも自分の歯でかむためには、根面う蝕を予防することが一番!予防にはフッ化物の頻回の局所塗布が進行抑制に有効等の研究報告があります。昨年より、根面う蝕予防効果を有する歯磨剤等も開発市販されております。虫歯や歯周病の治療が終わったという段階でも油断は禁物で、露出した根面のう蝕予防が大切です。治療でせっかく残した歯を根面う蝕で失わないように、定期健診とセルフケアで歯を守りましょう。

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