健康一口メモNo317
歯のトラブルの原因TCHをご存知ですか
真壁歯科医院 長 真壁 秀幸 先生
何もしていないとき、人間の上下の歯は接触していません。唇を閉じていても上下の歯は触っていません。通常、上下の歯は食物の咀嚼、嚥下、会話などで瞬間的に接触するだけです。ですので、接触時間を1日分合計しても20分以下です。ところが、仕事をしているとき、テレビを見ているときなどに上下の歯を接触させている人がいます。この上下の歯の持続的な接触癖をTCH(Tooth
ContactingHabit)歯牙接触癖といいます。
歯ぎしりや噛みしめのように強く噛んでいなくても軽く接触させるだけでも、数時間に及ぶことで咀嚼筋は活動が強まり緊張・疲労し、顎関節への血流障害、関節痛となり顎関節症の原因となります。
TCHが数十年も長期化すると顎関節症の他、歯並びの乱れ、歯の知覚過敏、詰め物が取れる、義歯やブリッジの疼痛など歯のトラブルが増えてきます。また、肩こり、頭痛、耳鳴りなどの不調や、口元の緊張でシワができやすくなるなど美容の点でもTCHは大敵です。
TCHは無意識のうちに起こる癖ですが、その癖を自覚して改善することが大切です。唇を閉じて上下の歯を離し頬の筋肉の力を抜くことを意識し、何度も練習してみてください。
歯と口の健康維持のためにはていねいなブラッシングと歯科医による定期的な口腔ケアに加え、TCHがあればその改善も必要です。
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