健康一口メモNo316
睡眠時無呼吸症候群
かんのリズムハートクリニック 院長 菅野 裕幸 先生
睡眠時無呼吸症候群(SAS・サス)は、睡眠中に呼吸が止まる、または浅く・弱くなることで、さまざまな日常生活に障害を引き起こす疾患です。睡眠中に起きてしまう、起床時に頭痛がする、日中の眠気や倦怠感がある、集中力の低下、夜間に起きてトイレに行くなどの自覚症状があります。自分では気付かなくても、家族や友人・同僚などから、いびきや居眠り、寝ている間の無呼吸を指摘されたら、SASを疑ってみることも必要です。
本来、睡眠は日中活動した脳と身体を十分に休息させるためのもの。SASによる睡眠中の酸素不足は、脳や身体へダメージを及ぼすほか、日中の活動にもさまざまな影響を与えます。SASは、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病の原因の1つとして知られていますが、最近では循環器疾患(心筋梗塞、狭心症、不整脈、心不全など)との深い関連や、心血管関連死の発症頻度が高くなることも明らかになっています。
寝ている間の無呼吸になかなか気付くことができず、検査・治療を受けていない多くの潜在患者がいると推定されています。SASはCPAP(シーパップ)という装置を使って治療できる病気です。お心当たりがある方は、ぜひ、気軽にご相談ください。
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