健康一口メモNo301
「逆流性食道炎」

七ヶ宿町国民健康保険診療所 所長　菅井 隆広 先生

　胸やけや呑酸（口の中まで酸っぱい水があがる感じ）などの症状に心当たりのある方はいらっしゃいますか？もしかしたらそれは逆流性食道炎の症状かもしれません。そのほかの症状には、胸痛や慢性の咳、のどの違和感などをきたすことなどがあります。
　逆流性食道炎とは、胃の内容物が食道に逆流し、食道に炎症を起こす病気です。
　逆流しやすい要因には、�@生活習慣の問題、�A体型の問題（お腹に圧力がかかる体型）があります。生活習慣の問題には、食べ過ぎ・早食い、高脂肪食、アルコール、喫煙、食べてすぐ寝るなどがあり、体型の問題には、前かがみ姿勢、肥満などが挙げられます。
　また、胃に感染するピロリ菌と逆流性食道炎との関係ですが、ピロリ菌は長年保菌していると慢性胃炎を引き起こし、胃酸の分泌が低下します。逆流性食道炎は胃酸の分泌能の高い人がなりやすいので、ピロリ菌に感染していない人の方が逆流性食道炎になりやすいということになります。軽症の場合には生活習慣などの改善で自然軽快することがありますが、重症化すると出血や狭窄になったり、食道腺癌という特殊なタイプの癌の原因となったりすることもあります。
　診断のために内視鏡検査をする場合もありますが、胃酸を抑えるようなお薬で様子を見ることも多いです。胸やけなどの症状が続いている人は一度病院を受診してください。

休日当番医（内科・外科・歯科）　 7月5〜8月2日