健康一口メモNo294
「肝臓の腫瘍について」

公立刈田綜合病院
外科部長　赤松　順寛 先生

　「かんじんかなめ」と言う言葉も最近はあまり聞かなくなりましたが、肝臓は大事な内臓です。しかし、沈黙の臓器と言われるように、そこに発生する病気は進行して来て初めて症状が出てくることが多いのです。健康診断でも肝臓の検査を行いますが、多少異常値でも症状がほとんどないのでついつい放っておきがちになります。「いちいち気にしていたら好きなお酒も美味しくないし、脂肪肝になっているからといってどうすればいいの、全然元気だよ」と。
　慢性肝炎や肝硬変だけでなく、実は、脂肪肝にも肝臓がんが発生する場合があります。脂肪肝の原因として肥満、アルコール、糖尿病などがあげられます。いわゆる生活習慣病の行き着く先としての肝臓がんもあり得るのです。
　肝臓の手術は、体に大きな負担をかけます。だって、脂肪肝、慢性肝炎あるいは肝硬変と調子の悪くなった内臓を切るのですもの。
　まさに泣きっ面に蜂ですよね。でも小さいうちに見つかれば体に負担の少ない手術法やほかの治療方法もあります。
　医者にかかっても様子を見ましょうと言われるかもしれませんが、それは放っておきましょうとは意味が違います。肝臓についてご心配なことがあればどうぞご相談ください。

休日当番医（内科・外科・歯科）　12月7日〜1月4日