駐日パラオ大使蔵王町訪問
   


 4月26日から28日にかけて、駐日パラオ共和国フランシス・マリウル・マツタロウ大使が町を訪れました。
 今回の訪問は、涌谷町出身者で、戦前日本統治時代のパラオの南洋庁で内務部長を務めていた故堂本貞一氏の次女である西のり子さん(東京都在住)が、父親の足跡を辿ったDVDを制作したことが取材を通じて、大使の心に響き、ゆかりの地である蔵王町と涌谷町を訪問することになったものです。
 北原尾地区には、戦後、パラオなどから引き揚げ者35世帯が入植し、厳しい自然環境の中で開拓を続け、県内有数の酪農地帯として今日に至っており、南洋のパラオを決して忘れることがないように「北パラオ」の意味を込めて「北原尾」と命名しました。
 大使と同行した書記官、西のり子さんの3人は、コカ・コーラ蔵王工場や引き揚げ者3代・4代目が経営する農家(玉根満晃さん、開沼裕司さん、伊藤徳三郎さん)を訪れ、乳牛から搾乳する最新式の機材の見学や質の高い肉牛の肥育方法などの説明を熱心に聞き入っていました。
 また、北原尾集会所で開かれた昼食会では、地域の人たちによる手料理での「おもてなし」が振る舞われ、当時の引き揚げ者本人や関係者などと食事をともにしながら、開拓当時の懐かしい昔話に耳を傾けていました。
 町内観光では、こけし館での絵付け体験やみやぎ蔵王えぼしスキー場での、スイセン鑑賞やゴンドラに乗り北原尾地区を一望。エコーラインを通ってお釜を観光し、圧倒されるほどの雪壁を見ては歓声を上げて感触を確かめていました。
 夜の歓迎会では、北原尾地区を一望できるホテルラフォーレ蔵王を会場に開かれ、地域住民や関係者など約30人が出席。これまでもパラオ共和国との交流にご尽力いただいた北原尾農事組合長の工藤静雄さんが乾杯の発声をした後、大使と挨拶を交わしたり、訪問のきっかけとなったDVDの鑑賞会や記念撮影を行い、和やかな雰囲気の中パーティーを楽しみました。

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