健康一口メモNo279
「標準体重のおはなし」

公立刈田綜合病院
医員 渡邉　　崇　先生

　体重測定は赤ちゃんの時から経験する身近な検査です。お風呂あがりに一喜一憂という方もいるのではないでしょうか。健診の結果票には体重の他にBMIという数値があり、「標準」「肥満」などと判定までついています。このBMIは体重（�s）を身長（m）で2回割り算することで計算され、BMIが22となる体重が身長に見合った標準体重とされています。実は22という基準は輸入物で、1950年代の日本で用いていた基準とずれが少ないため採用され今に至っています。
　では標準体重だと本当に健康なのでしょうか？
　日本人の調査では、30〜59歳でBMIが22前後の人に病気（通院する）が一番少なかったそうです。一方寿命では、35歳以上の時点で男性ではBMIが23〜30、女性では21〜27だと、その後12年間に亡くなる危険が比較的少なかったと2年前に報告されています。
　どうも現行の標準体重よりは少し重くても良いのですが、過度の太りすぎ・痩せすぎは良くないようです。特に高齢での痩せは病気が隠れていたり、筋肉がしぼんだ結果であることもあり注意が必要です。体重が1年で3〜4�s変化するときは、年齢によらずぜひ一度かかりつけ医にご相談ください。

休日当番医（内科・外科・歯科）　9月1日〜10月6日