健康一口メモNo257
「舌のお手入れについて」

ごとう歯科医院　後藤　正敏先生

　歯を磨いたことがないという人はいないと思いますが、舌なんて今まで磨いたことなどまったくないという人は意外と多いのではないでしょうか。
　歯に歯垢（しこう）がついているように舌にも舌苔（ぜったい）というものがついて汚れてきます。
　では、舌苔とはどのようなものなのでしょうか。新陳代謝ではがれ落ちた口腔内の粘膜の細胞や食べかすなどに歯周病菌やむし歯菌といった口中の様々な細菌が付着し、舌の表面にたまったものが舌苔で、見た目には白っぽい付着物の汚れです。
　口臭の直接の原因となる口の中の悪臭ガス（揮発性硫黄化合物）の6割は、舌苔から作られていると言われていますし、また、舌苔は歯周病を引き起こす細菌の供給源とも考えられています。口臭予防や口の中の健康のために、歯磨きだけではなく舌を磨いて舌苔を除去することが大事だと思います。
　舌の上手な磨き方ですが、�@舌磨き専用の舌ブラシを使う。（舌ブラシは歯ブラシ売り場で安価に手に入ります。）�A慣れていないと気持ち悪くなりやすいので、お勧めは朝食前の空腹時が良い。�B舌苔は、舌先よりも舌の奥のほうにたまりやすいので、鏡に向かい舌をできるだけ前に突き出して確認しながら磨く。�C舌ブラシを軽く当てて後ろから前に10回くらい動かして磨く。
　ぜひ舌磨きの習慣を身に付けて、息さわやかな口の中を体験していただきたいと思います。

休日当番医（内科・外科・歯科）　11月3日〜12月4日