小・中学校とも前年度より上昇
   
小学校は“ほぼ全国平均と同じ”
中学校は“全国平均との差縮まる”


学力向上サポートプログラム事業における国語の授業(円田小学校)

 町教育委員会では、町内の児童生徒の実態を把握するため、平成14年度より、小・中学校の学力検査(小4・6・中2)を継続実施しており、今回(平成20年度)で7回目となります。昨年に引き続き小・中学校の学習状況をお知らせします。
 また、今年度は家庭での様子を知るために現小学5年生、中学3年生に「生活アンケート」を実施し、「起床時刻」「家庭学習時間」「テレビ・ゲーム時間」「就寝時刻」の調査結果をまとめました。
 児童・生徒の家庭での様子、傾向が分かり、「学校でどう指導したらよいか」「家庭でどう過ごすことが大切か」を考えるデータとして活用できそうです。5ページをご覧ください。

小学校の現状と課題
 町の児童全体の学力(国語・算数)は、平成16年度以降少しずつ向上し全国平均を上回っています。
 4年生と6年生の平均正答率も、国語、算数ともに全国平均以上で、昨年に引き続き良好な状況が継続しています。学力向上対策のために各学校で取り組んできた成果が表れていると考えられます。

国語
 目標達成状況を見ると、4年生も6年生も「十分到達」児童が約60l「おおむね到達」の児童が約30lの段階にあります。
 「言葉や漢字の学習」(言葉や漢字)では、全国平均を上回っており、学校や家庭での漢字練習、言葉の意味を調べる学習への取り組みの成果が表れていると考えられます。
 「文の内容を読み取る学習」(読む力)では、6年生は全国平均を上回りましたが、4年生は全国平均を下回っています。学校だけでなく家庭でも読書をすることをお勧めします。
 「目的に合った話し方や聞き方をする学習(話す・聞く力)」では、どちらの学年も全国平均と同じ結果になりました。これから、話すための「型」を覚えたり、日ごろから大切なことを聞き落とすことなく聞く習慣をつけたりすることが必要だと思われます。

算数
 目標到達状況を見ると、4年生の児童の75lが「十分到達」、17lが「おおむね到達」の段階にあります。6年生は52lが「十分到達」、35lが「おおむね到達」の段階で全国平均を上回りました。
 しかし、学年が進むにつれて学習内容が難しくなり、「到達不十分」の児童が4年生は6l、6年生は11lいます。各学年での学習内容を確実に理解させ、「積み重ねの学習」をしていくことが必要だと思われます。

町内小学校5校の学力向上への取り組み
円田小学校

○朝の読書
○ドリルタイム(水・木10分間)
○音読(音読集の活用)
○TT指導(学習支援)
○教頭6年理科授業
○教務5年社会授業
○家庭学習の習慣化(家庭学習の手引き)
○学力向上サポートプログラム

平沢小学校

○朝の読書(月〜木)
○ぐんぐんタイム(国・算ドリルタイム月〜木朝10分間)
※ 校長、教頭、教務も加わり、TT指導
○家庭学習の習慣化(家庭学習の手引き作成)
○一部専科の導入(教頭・教務5・6年社会)
○合同授業(体育・音楽等)

永野小学校

○朝の読書(火〜金)
○読み聞かせ(月2回)
○計算ドリル(全学年同一形式)
○漢字ドリル(低・中高学年同一形式)
○TT指導(高学年算数)
○音読カード(全学年)
○家庭学習の習慣化

宮小学校

○教員の教科指導力の向上(校内研修/国語・外国語活動など、学力向上サポートプログラム、初任者研修の活用、少人数指導/算数)
○児童の学習習慣の形成(よい子の学習ルール・家庭学習の手引き、よい子の約束)
○健康面からのアドバイス、夏休みお助け塾、朝の読書
○教育環境基盤の充実(早寝・早起き・朝ごはん、支援ボランティア活用、各種行事の実施)

遠刈田小学校

○朝の読書
○朝の学習タイム(国算ドリル、百マス計算漢字10問テスト)
○家庭学習の習慣化(国算プリント、本読み・日記、漢字練習、自学等)
○TT指導(学習支援)


※ TTとは、チーム・ティーチングの略。複数の先生がチームを組んで子どもたち一人ひとりの実態に応じながら学習する方法



効果的なグループ学習のあり方を校内研究で追求(宮中学校)

中学校の現状と課題
 現在の中学3年生を対象として、2年生までの学習内容の学力検査を実施しました。
 各学校では、4ページの表のような学力向上の取り組みを行ってきましたが、グラフから分かるように、最近一年間の様子を見ると、各教科とも全国平均との差は少しずつ縮まってきています。各学校では今回の結果を踏まえ、さらなる向上を目指して指導を行っていきます。
 全国平均と比べて、各教科の弱い部分は次のとおりです。

国語は、動詞の活用の種類の理解、漢字の正しい読み方。
社会は、地理・歴史分野とも図や資料を参考に考える問題。
数学は、連立方程式、一次関数のグラフ、図形の証明。
理科は、第1分野が科学変化と原子・分子、第2分野が人体の仕組み。
英語が、単語のつづり、月の名前、過去進行形、未来形、不定詞。
 各教科とも、今回明らかになった弱点分野を中心に粘り強く家庭学習を積み重ね、その克服を目指していくことが必要です。

町内中学校3校の学力向上への取り組み
遠刈田中学校

○毎日「朝の読書」を実施
○家庭学習提出の奨励
○復習確認テストの実施
○数学の授業でのTT実施
○補充学習および発展学習を取り入れた選択教科の実施
○選択数学での少人数、TTの実施
○放課後の学習会の実施
○英語検定の実施
○夏季休業日における学習会の実施
○学校、学年だよりなどでの学習意欲の喚起

円田中学校

○毎日「朝の読書」を実施
○担任が自主学習をチェック
○復習確認テストの実施
○数学、英語での少人数指導
○補充学習および発展学習を取り入れた選択教科の開設
○英語検定の実施
○全校一斉の漢字検定実施
○夏季休業日における自主学習室の提供と学習支援
○学校、学年だよりなどでの学習意欲の喚起

宮 中 学 校

○話し合い、聴き合い、教え合いを生かした授業(学び合い)
○朝の読書活動
○家庭学習の習慣化(MLS/宮中レッツスタディ活動)
○復習確認テストの実施
○少人数指導の実施(英語・数学/全学年)
○基礎・基本の定着を図った選択教科(数学・英語)
○テスト前の学習会の実施
○漢字、計算コンクールの実施

 

家庭にお願いしたい事

生活アンケートから協力いただきたいこと
 町の小中学校の教務担当者会が実施した平成21年度の生活アンケートによると、小・中学生ともに「起床時刻」は6時〜7時の時間帯、「学習時間」は30〜60分が最も多い結果となりました。
 「テレビやゲーム」の時間は、小・中学生ともに2時間以上の使用が多いことが分かりました。今回は2時間以上という選択肢のみだったため、実際には何時間使用しているのかは、つかめませんでした。テレビやゲーム以外に中学生では、携帯メールやインターネット使う生徒も多いと考えられ、家庭で使用するための約束が必要だと思います。
 「就寝時刻」については、小学生は9時以降、中学生は10時以降が多い結果となりました。中には、小学生でも11時以降の就寝が9l、中学生では11時以降が31lいることが分かりました。
 これらの結果から、年齢に見合ったバランスのとれた生活時間を過ごすことが大切だと思われます。グラフを参考にしてご家庭で、お子さんと生活の仕方を見直す機会をもつことも良いかと思います。

家庭学習の手引きをご覧ください
 「○年生にはどんな家庭学習が必要か」「勉強しなさいと言うけれど、何をさせればいいか」今回、新しく『家庭学習の手引き』を保護者の皆さまにお渡しします。
 町内の教師が力を合わせて作成したものです。ぜひ、ご家庭で活用ください。
問い合わせ先/各小・中学校または町教育委員会教育総務課 TEL0224−33−3008

 

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