11月会議(11月9日)において総務経済常任委員会に審査が付託された、「最低賃金の改善と中小企業支援の拡充を求める意見書の提出を求める」陳情第4号は、12月7日の12月会議において、委員長から審査報告を受け、採決の結果、全会一致で採択され、議員提出による意見書も全会一致で可決しました。
また、11月会議(11月9日)において教育民生常任委員会に審査が付託された、「被災者生活再建支援制度の抜本的拡充を求める意見書の提出を求める」陳情第5号、「看護師の全国を適用地域とした特定最低賃金の新設を求める意見書の提出を求める」陳情第7号は、12月7日の12月会議において、委員長から審査報告を受け、採決の結果、賛成多数で採択され、議員提出による意見書も賛成多数で可決しました。「安全・安心の医療・介護の実現と夜勤交替制労働の改善を求める意見書の提出を求める」陳情第6号は、採決の結果、全会一致で採択され、議員提出による意見書も全会一致で可決しました。
意見書は関係行政庁に送付しその実現を要請しました。
「最低賃金の改善と中小企業支援の拡充を求める意見書」
提出者 葛西 清議員 賛成者2名
提出先 内閣総理大臣 ほか2名
(要旨)
雇用労働者の約4割の2000万人が非正規雇用、そのうち、年収200万円以下の「ワーキング・プア」は1000万人を超えている状態である。
地域別最低賃金は、地域間格差も大きく、将来を担う若者の県外流出の一因になっていると思われる。
政府は、中小企業への支援策を拡充しながら、最低賃金を引き上げる必要があり、生活を安定的に維持できる水準の最低賃金確立のため、次の事項について強く要望する。
@ワーキング・プアをなくし、生活を安定的に維持できる賃金にするため最低賃金の大幅引き上げを行うこと。
A全国一律最低賃金制度の確立等、地域間格差を縮小させるための施策を進めること。
B最低賃金の引き上げにより影響を受ける中小企業への支援を拡充すること。
「被災者生活再建支援制度の拡充を求める意見書」
提出者 外門 清議員 賛成者2名
提出先 内閣総理大臣 ほか3名
(要旨)
東日本大震災以降、熊本地震や西日本豪雨、北海道胆振東部地震など災害が相次ぎ、被災者支援の拡充は喫緊の課題となっている。
被災者の最大の願いは、一日でも早く安心できる住まいや生活空間を得て、日常の暮らしを取り戻すことであり、住宅の再建は、地域全体の復興を左右する重要な課題である。
被災者の生活の再建を支援することを目的に制定された被災者生活再建支援法は平成19年に改正されたが、支援金支給の対象は、原則として住宅の全壊又は大規模半壊に限定されており、被災者の一部にすぎず、国の負担も原則として支援金の2分の1にとどまっていることから、被災者生活再建支援制度の拡充を行うよう強く求める。
「安全・安心の医療の実現と夜勤交替制労働の改善を求める意見書」
提出者 松ア良一議員 賛成者2名
提出先 内閣総理大臣 ほか2名
(要旨)
看護師の夜勤実態調査では、2交替勤務のうち16時間以上の長時間夜勤の割合は43.1%、勤務と勤務の間隔が極端に短い8時間未満の割合が49%で過酷な夜勤実態も背景に、看護職員の労働実態調査では、慢性疲労を抱えている看護師は71.7%、健康不安の訴えが67.5%、74.9%の看護師が仕事を辞めたいと思いながら働いている状態であり、問題の根底には慢性的な人手不足がある。
安心・安全の医療実現のためにも看護師等の増員、夜勤改善は必要であり、平成19年に国会で採択された請願内容「夜間は患者10人に1人以上、昼間は患者4人に1人以上など看護職員配置基準の抜本改善、夜勤の月8日以内の規制等」の早期実施と必要な人員の確保を強く求める。
「看護師の全国を適用地域とした特定最低賃金の新設を求める意見書」
提出者 村山一夫議員 賛成者2名
提出先 内閣総理大臣 ほか2名
(要旨)
平成29年看護職員の労働実態調査では、慢性疲労が約7割、健康不安の訴えも約7割、流産も1割に達するなど、人手不足の中で過酷な勤務実態となっている。このような勤務環境で働く看護師は、仕事を辞めたいと感じながら働いている割合が74.9%に達し、辞めたい理由の第1位は「人手不足で仕事がきつい」47.7%、次いで「賃金が安い」36.6%という結果であり、「低賃金・過重労働」の実態は依然として改善されておらず、人員不足を深刻化させ、患者・利用者の安全や看護の質にも影響を及ぼしかねない事態となっている。
本来、公定価格である診療報酬で看護師の労働に関する評価が公正にされるべきであるが、地域間格差が大きすぎて看護師の賃金水準が引き上がらず、地域偏在や離職者増を引き起こしていると考えられることから、看護師賃金の底上げを図り、安全・安心の医療・看護体制を確保するために、全国を適用対象とした看護師の「特定最低賃金」の新設を強く求める。
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