一般質問


三沢 茂議員

 

森林保全
 
 
ナラ枯れ病被害拡大への対応を
重点区域を設定し駆除する

■質問
 ナラ枯れ病が町内森林全域に発生している。拡大防止には迅速な駆除処理が原則だが、一気に広範囲に発生し、多くが尾根部のナラの大木であり、作業は困難を伴い多額の費用も発生し、事業実施は容易ではないと思うが対策はどうするのか。

■町長
 町内のナラ枯れ被害木は、3月に東根地区で79本を立木くん蒸処理した。
 ナラ枯れ被害木の調査を毎年9月から10月にかけて実施しており昨年までの本数は少なかったが、今年度に入り急激に町内全域で多数見受けられる状況になった。
 ナラ枯れは、体長4ミリから5ミリのカシノナガキクイムシが運ぶナラ菌が原因で発生する。
 被害は、高齢で太い樹木が多く、樹木を伐採しなくなったことにより、高齢で太い樹木が増えたことが大きな要因と言われている。
 被害木に対するくん蒸薬剤の注入による駆除及び被害を受けやすい高齢樹木を伐採し、森林の若返りを図ることが効果的とされている。
 ナラ枯れ被害木が急激に増え、全てを対象とした防除対策は不可能であるため、蔵王の紅葉の名所への被害を最小限にとどめるよう、遠刈田地区の森林などを重点区域とし対策を講じていきたい。
 事業経費が少なく作業効率がよいくん蒸薬剤の立木注入による駆除を実施しながら、合成フェロモンを用いた防除薬剤の開発に期待している。


根元付近にカシノナガキクイムシが入り枯れ始めた ナラの大木




■再質問
 遠刈田地区を重点的に立木くん蒸駆除するとのことだが、優秀なシイタケ生産者が原発事故前までは原木を切っていた区域がある。史跡、林道、作業道、登山道沿線なども重点区域の中に入るのか。
 費用が少ない立木くん蒸は、大木がやがて枯れて枝の落下や倒木による危険を抱える。伐採駆除、枯らさないで守る薬剤注入などの手段も選択すべきではないか。

■町長
 年間150万人の観光客が紅葉のエコーラインを訪れることから、遠刈田を重点的にと答えたが、ナラ枯れ大量発生によるパトロールを強化中であることを広報ざおう10月号に掲載し、町民から被害情報を提供してもらい、伐採か薬剤か、最善の駆除法を取りたい。

■再質問
 広葉樹の伐採が進まない原因は原発事故の放射能による利用自粛措置もある。24年6月会議で、伐採して新しい芽を出すという事業を中央に働きかけると答弁しているが、なかなか実現されない。
 ナラ枯れも全国的に被害が発生しており、放射能対策と併せて、県の町村会長・全国の副会長の立場で町長から、この窮状を中央に訴えて、対策の財源確保を図るべきではないか。

■町長
 ナラ枯れは一般的に国民にまだ知られていない。この重要性を県町村会、全国の町村会としても県、国に要望し、1週間先には全国の町村議会の全国大会もあるが、そちらでも多分そうなっていると思う。3団体なり6団体でも国に要望をしていくような体制としている。

■再質問
 広葉樹の放射能は年々下がっており3月の簡易測定では27ベクレルで基準値を下回っている。また、町が測定する焼却灰の含有値も年々下がっている。
 状況によっては町独自に正式にサンプル測定して、いい数値であれば、仙南全部の移動自粛ということではなくて、部分解除も県に働きかけ伐採推進を図ってはどうか。

■町長
 県と調整しながら、できるだけ進めていきたい。

メ モ
(立木くん蒸とは)
 立木のまま樹幹にドリルで注入孔を開けて殺虫剤を注入し、カシノナガキクイムシを殺虫する方法。

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